大飯原発の再稼働決定を受け、九州電力管内は川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働を優先して手続きが進むと見られている。だがこの夏の関西電力管内での電力不足を危惧して緊急避難的に再稼働される大飯原発と違い、他の原発の再稼働判断は秋以降となるのが確実。識者や市民団体からは再稼働のドミノ倒しを危ぶむ声がある一方、夏の節電を乗り切れば原発不要論は高まるとの見方もある。 「安全基準が崩壊しているのに、国は全ての原発を動かそうとしている」。16日に福岡市で開かれた講演会。福島原発事故を調査している政府の検証委員、吉岡斉・九州大副学長(科学技術史)は政府決定を機に全原発の再稼働がなし崩し的に認められる可能性に懸念を示した。 九電は玄海原発(佐賀県玄海町)と川内原発の全6基中5基について安全評価(ストレステスト)の1次評価結果を原子力・安全保安院に提出済み。老朽化が指摘される残りの玄海1号機も提出準備を進