3月末に向け、消費税政局と東電国有化を巡る動きが大詰めを迎えている。その趨勢はこの国の興亡を左右するといえよう。岐路に立つ国民が政治に向ける視線は厳しい。「この国の政治はなぜ決められないのか」。「首相の権力」の戦前編では、以下の9回にわたって明治国家の確立から崩壊まで、時の首相が確かな意思決定システムを築こうとした格闘の歴史を紐解いてきた。 「民主党政権の迷走、伊藤博文の滑走」「政変に活路開く小沢一郎と伊藤博文」「伊藤博文の悔恨と残された時限爆弾」「『ねじれ国会』を克服した山県有朋」「小沢一郎は原敬を超えられるのか」「『2大政党制』と原敬の功罪」「首相ブレーン機関の起源と運命の近衛文麿」「橋下徹の独裁批判と東条英機の“水商売”」「孤独な『東條独裁』を戦後国家への遺産」 今日から戦後編としてシリーズを再開し、引き続き、決められない政治から脱却する手がかりを探る。読み解くひとつのカギは官僚機構