東日本大震災以後の日本「文学」を研究している加島正浩さん(名古屋大学大学院博士課程)が、ウネリウネラに再び寄稿してくれました! 前回は、4月に東京で開催された「もやい展2021」の感想を書いてくれました。 前回の記事はこちら→https://uneriunera.com/2021/04/06/moyaiten/ →https://uneriunera.com/2021/04/07/moyaiten2/ 今回は福島市の俳人、中村晋さんの句集『むずかしい平凡』(BONEKO BOOKS)の書評です。どうぞ! 【「見る」ことと「空間」の広がり ーー中村晋『むずかしい平凡』書評】 個人的な関心に基づいた整理で恐縮なのだが、中村晋の『むずかしい平凡』における句の詠み方の特徴は、大別して2種類あるように思われる。ひとつは視線(力点)の移動、もうひとつは見えないものを詠むことである。前者から説明したい。