5兆円といわれる世界の美術品市場。“文化大国”といわれ、美術展があれば長蛇の列ができる日本はどれほどのものなのか。 実は、国内の美術品の市場規模は約2300億円(※2020年)。世界の市場規模における割合は約4%しかない。 世界3位の経済規模を持ちながら、なぜ日本のアートマーケットは小さいままなのか。日本を代表するアートコレクターも「日本は“アート後進国”のレッテルを貼られてしまうのではないか」と日本のアート産業の行方に危機感を抱く。 今後、日本のアートマーケットを広げ、グローバル化するために何が必要なのか。コレクターたちの「提言」をもとに探る。 バスキア、カウズ、草間彌生、奈良美智に村上隆…。起業家で京都芸術大学客員教授の川崎祐一氏は、約750点もの現代アートを所有する。コレクション歴は10年。日本を代表するアートコレクターの1人だ。 「アートを見るとその時の出来事が思い出せる。この作品