【シカゴ時事】仏食品大手ダノンが、米国で「脱・遺伝子組み換え(GM)」を宣言し、波紋が広がっている。 GMに依存する米農業界は、安全性に対する消費者の不安を増幅しかねないと猛反発しており、溝は埋まりそうにない。 ダノンは今年4月、主力のヨーグルト3ブランドを対象に、2018年までにGM作物の使用をやめると発表した。これまでは砂糖の原料テンサイや、乳牛のエサとなるトウモロコシなどGM作物を使ってきたが、それ以外の作物に切り替える。 米国では全食品の8割程度がGM技術を導入しているとされる。一方で、消費者の健康・自然志向の高まりでGM食品を敬遠する動きも拡大。ダノンは消費行動の変化に対応すると理由を説明する。 これに対し、全米農業連盟など生産6団体は一斉に反発。ダノン米国法人トップ宛てに異例の書簡を送り、「(GMへの)不安をあおって売り上げを増やそうとしている」と厳しく批判した。