現在も躍進を続けるアップルだが、それ以前の歴史を知る人にとっては、驚くべき事態かもしれない。今から20年あまり前、創業者スティーブ・ジョブズが不在だったアップルは、業績の悪化を止めることができず、身売りか倒産かと言われるところまで追い込まれていたからだ。 その後、復帰したジョブズによって、アップルはふたたび急成長を遂げた。2007年に時価総額1000億ドルを突破、2011年にはエクソンモービルを抜いて時価総額ランキング1位となり、以後トップを走り続けている。 アップルはどこで間違い、そして、いかにして復活したのか。『スティーブ・ジョブズ 世界を興奮させる組織のつくり方』の著者で、ジョブズとアップルに詳しい桑原晃弥氏に話を聞いた。 * * * 企業がいつまでもイノベーティブであり続けるというのはとても難しいことです。かつてはイノベーティブだった企業も規模が大きくなるにつれてイノベーション