全国の八幡宮の総本宮、宇佐神宮(大分県宇佐市)世襲家の到津克子さんを、神社本庁(東京)がナンバー2の権宮司から免職したことが27日、神社本庁への取材で分かった。宇佐神宮は到津さんを解雇した。ともに15日付。宇佐神宮では近年、トップの宮司(代表役員)の継承問題で対立が続いていた。 神社本庁によると、神職の免職、解雇は全国的に珍しい。神宮は解雇理由を明らかにしていないが、現在は別の男性権宮司が代理を務め、職務に支障はないとしている。神社本庁秘書部は「1月に宇佐神宮からの申し立てを受け、慎重審議の結果、やむを得ず免職の判断をした」と話した。 宇佐神宮では前宮司が平成20年に病気のため退職後、神社本庁が経験不足を理由に到津さんの宮司就任を認めなかった。到津さん側は宮司としての地位確認を求め22年に大分地裁中津支部に提訴したが、昨年5月に最高裁で敗訴が確定した。