前提 (premise) とは、推論の出発点となる命題のことをいい、結論の対義語である。アリストテレスの三段論法では、大前提 (major premise) に一般的な原理、小前提 (minor premise) に個別の事実を置き、そこから新たに導出される命題を結論と呼ぶ。 大前提:すべての人間は死すべきものである。 小前提:ソクラテスは人間である。 結論:ゆえにソクラテスは死すべきものである。 言語学(意味論・語用論)において前提 (presupposition) とはある命題が適切に発話されるためにあらかじめ知られていなければならない命題のことである。訳語は同じであるが、上述の前提 (premise) とは全く別の概念である。たとえば、 彼は受験にまた失敗した。 という文は通常「彼が(以前にも)受験に失敗したことがある」ということが既知である文脈で用いられる。このようなとき「彼が受験