原爆で倒壊し、木材のほぼすべてが失われた、広島城のものと見られる装飾用の木の板が、広島市内の住宅に残されていたことがわかり、城の本来の姿を伝える貴重な資料として注目されています。 寄贈を受けた広島大学総合博物館が分析したところ、板は「広島城のもの」として瓦とともにこの家に伝えられてきたほか、雨や風で削られ、長い年月使われていたことがわかりました。 広島大学総合博物館は、保管の経緯や板の状態から、広島城の建物を飾っていた可能性が高いとしています。 広島城は安土桃山時代に毛利輝元が築き、昭和6年には当時国内に現存する最古の天守閣が国宝に指定されるなど、広島を象徴する建造物でしたが、昭和20年の原爆ですべての建物が倒壊しました。 博物館によりますと、城の木材は、混乱の中で市民の燃料などとして使われたため、ほぼすべてが失われたと見られ、未確認のものがわずかに保管されている程度だということです。 広