仏様の姿形はどのように変わっていったか 仏像に興味あるという人は多いと思います。 ただ、教養がないと理解できなさそうで何か難しそう、と思ってる人も多いと思います。 確かに、何何神とか神様がいっぱいいたり、全ての物に由来や意味があったり、よく覚えられない。 仏教はヒンドゥー教の台頭やイスラム教の侵入により、13世紀ごろにはほぼインドから姿を消してしまったのですが、今回はそれまでのインドの歴史と仏像の変化について、追っていきたいと思います。 1. 仏像が生まれる前 実は釈尊(ガウタマ・シッダルータ)が亡くなってから500年以上、仏像というものは存在しませんでした。 仏像が作られ始めるのは1世紀後半からで、その頃には釈尊が半ば神格化された存在になっていき、同時に盛んに仏像が作られるようになっていきました。 では、仏像が作られる前は釈尊をどのように表現していたか。 まずは、「三宝」と言われる仏教で
Photo by Bernard Gagnon インドで廃れた仏教はアジア諸地域へ 前回の記事「仏像の姿形はどう変わっていったか」では、仏教発祥の地インドで、いかに仏教が広がり併せて仏像が発達・衰退していったかを書きました。 インドで消滅した仏教は、アジア諸地域に渡り当地で独自の仏教美術を開化させていきます。 今回は特に、南アジアと東南アジアでの仏教と仏教美術の特徴をまとめていきます。 1. 釈尊の死後の仏教 教団の分裂 釈尊が亡くなって約100年の間は、直弟子や直弟子に学んだ者たちが教団をまとめたため、釈尊の教えは変わらずに生き続けていました。この期間を初期仏教とか原始仏教とか言います。 ところが、100年ちょっと経ったころに教理や戒律の異説が生まれ、革新派のマハーサンギカと保守派のテーラヴァーダに分裂。前者は後の大乗仏教、後者は上座部仏教です。 この2派はどんどん分裂していき、前1世紀
2014年、日本にも進出した米国の大手クチコミサイト「Yelp」。食べログキラーとも言われたが、食べログの買収に興味を示しているとも言われている。 Yelpは、本家米国では飲食店以外に、自動車修理工場や美容室、各種修理サービスなどあらゆる小売業種をユーザーが評価できるサイトである。27カ国以上に進出しており、ユニークビジター数は月1億4000人にのぼる。 米国では飲食店のクチコミは、他にもPricelineが買収したレストラン予約サービスのOpenTableや、旅行者だけでなく地元住民によるレビューも多数掲載されているTripAdvisorなど強豪がひしめく市場である。ところが、そこに乗り込んだインドのベンチャー企業がある。 ニューデリーに本社のあるZomatoは今年、米国の飲食店クチコミサイト、UrbanSpoonを現金5000万ドルで買収した。この買収によって、Zomatoのビジター数
2014年07月01日14:00 カテゴリ雑感 ビーフカレーという矛盾がグローバル化を象徴しているわけなのである。 ナマステー。VENTURE UNITEDの丸山です。どうもどうも。 すっかり7月になりまして、世の中的には今年も折り返しだぜなんて言ってたりするわけですが、個人的には1~6月の方があっという間に過ぎていくので、まだ1/3くらいしか終わっていない感じがしています。はい。 それはそうと、みなさまご存知のとおり6月28日から断食月(ラマダン)が始まっておりまして、イスラム圏の方々におかれましてこの月の日の出から日没までのあいだ、イスラム教徒の義務の一つ「断食(サウム)」として、飲食を絶つことが行われる。「ラマダーン」を断食のことと誤って捉える人も少なくないが、ラマダーンとはあくまでもヒジュラ暦における月の名である。この断食の習慣は、624年、マッカの大規模な隊商をムハンマドが300
よくお客様から「サフランライスないですか?」「こちらのごはんはサフランライスですか?」と のご質問があります。結論から先に申し上げると「ラニにはサフランライスはありません。」 インド家庭料理ラニでは、ゴハンは日本の普通のお米を使っています。「ジャポニカ種」ですね。 ずんぐりしていて粘りの強い米です。銘柄は「あきたこまち」です(笑)。インドでは、細長くて(長粒米)パサパサのお米「インディカ種」を食べています。 ずいぶん前に、日本で「米がない!」という騒ぎになった時に「タイ米」というのが流通しましたが、アレと似ています。 で、どうしてインド家庭料理ラニでは本場のインディカ種のお米を出さないのかと言えば…。 ここは日本ですから、日本のお米の方が手に入りやすいという理由はもちろんですが、 なにより私自身が「日本のお米の方がおいしい」と思うからです。 また、お客様もほとんどが日本人のお客様ですから、
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海外では欧米を中心にKPOと呼ばれる新たなアウトソーシングの利用形態が始まっている。従来では考えられなかったスピード感で高付加価値業務を実現し、競争力強化を実現するKPOとは一体何か。 インドを中心に勃興するKPOベンダー 業務のアウトソーシング形態の1つとして、2000年代初めから欧米企業を中心に「KPO」(Knowledge Process Outsourcing)の利用が拡大している。知的業務委託と訳されるKPOは、全世界の企業や地域を対象に、顧客企業が求めるハイレベルな業務を引き受ける専門企業によって提供される。その世界市場規模は、2010年には170億ドルにも達するといわれ、KPOベンダーも増加中だ。 主にインドや中国にサービスの拠点を構え、高学歴だが低賃金な人材を数多く抱えて、グローバル市場で24時間対応可能な体制を整えているのが、従来のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシ
存亡の淵「マイクロファイナンス」 ノーベル平和賞の「小口金融」に自殺続出。高金利と追い貸しでインド版サブプライムか。 2011年6月号 GLOBAL by ナヴィン・ウパディヤイ(インドの英字紙「パイオニア」誌編集局長) 貧困撲滅と収益を両立させるマイクロファイナンス(貧困層向け小口無担保融資)が存亡の危機にある。発祥の地バングラデシュのグラミン銀行では、06年にノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス総裁が3月2日、中央銀行に解任された。隣国インドでも、投資家ジョージ・ソロス氏の支援も得て昨年8月にマイクロファイナンス機関(MFI)初の上場を遂げたSKSマイクロファイナンスが、わずか9カ月で株価が発行価格の3分の1に落ち込んだ。 ユヌス解任は現政権との政治的確執が原因とされているが「貧困層にカネを貸して潤う吸血鬼」(シェイク・ハシナ首相)とのMFI批判にも一理ある。現にMFIが盛んなイン
日本の物流システムのものすごさはよく知られたところ。徹底的なコンピューター化による管理と、そして日本の道路・通信インフラの優秀さによって高速かつ精密な輸送を可能にしているわけですが、これにまさるとも劣らないシステムがインドにもありました。社会的なインフラがまだまだ未整備なのにも関わらず、伝票もPOS端末も携帯電話も一切なんにも使わずに毎日20万食の昼食を時間通りに届ける「ダッバワーラー」という驚異のシステムが存在しているのです。一体どんな人達なのでしょうか。 目次 ダッバーワーラーとは ミスは1600万回に1回、驚異の低エラー率 超複雑なネットワークを人力で運営するダッバーワーラー達 なぜダッバーワーラーは超低料金で超優良サービスを提供できるのか? ダッバーワーラーと組織の社会貢献 ダッバーワーラーとは インドの人達には、3食きちんと調理した温かい物を食べる、という食文化があります。これは
足かけ2ヶ月を要したシリーズもいよいよ大団円。年内にこのシリーズを終えられれば、私も気分的にはひとまず年が越せるような気がする。というわけで無理矢理にでも決着をつける。 世界とどう付き合うか 誰と付き合うかというのももちろん重要なのだが、「どう付き合うか」というのがむしろ重要だと思っている。というのは、これまでの常識は徐々に通用しなくなっていくからだ。 たとえば最近、レギュラーガソリンよりも軽油の方が高いらしい。ディーゼル車需要の高い欧州ならいざ知らず、日本でそうした現象が起きるとはにわかに信じがたかった。しかし先日石油業界の方から、ガソリンは国内仕様の性状ゆえにダブついた在庫を海外市場に転売できないのに対し、軽油は国際的に仕様が近いので国際価格との連動性がある、という話を聞いた。欧州でディーゼル車需要が高いから、結果的にそちらへの輸出が増えて、日本の軽油も高くなったというのだ。 真偽のほ
Heads on: Apple’s Vision Pro delivers a glimpse of the future
なんとなく尻切れトンボで終わった感じもする昨日のログではあるが、ともかく東インド会社という一企業が、一時期ではあるが、インドという国を統治していたことがわかってもらえただろうか。 ともかく、イギリスにとってインドは格好の就職先だった。貧乏貴族にとっては没落を防止する最後の砦として、一方、総督はじめ高位高官のほとんどは貴族で占められていたものの、実質的にインド統治にあたった官僚や軍の将校は圧倒的に中流階級が多かったのだが、彼らにとってはイギリス本国では得られない活躍の場が与えられたのである。 だが、統治されたインドの側はどうだったのだろう。 ここでは東インド会社がインド国民に課した税には、こんなものがあったということを紹介しておきたい。 イギリスは巨大で人口もまた膨大なインドを支配しづけるために、富裕な王族や地主の支持が必要だった。そのために彼らには課税しなかった。だが、インドの多くの国民は
サマセット・モームの "The Outstation" の訳語を探すために、いくつかイギリスの植民地統治についての本を読んだのだが、おもしろいことがわかった。まあ、こんな話は興味がない、という人は、スルーしてくださいな。 イギリス東インド会社というのは、確かに会社なのである。正式名称は "Honourable East India Company" 「誉れ高き東インド会社」というゴージャスな名前である。ただこの "Honourable" は植民地などの行政官に対してもつけられる敬称なので、実際には特に意味はない。 この東インド会社というのは、ロンドンの「冒険商人」の組織する純民間会社である。ところがこの民間会社、インドにあっては政府として機能するのである。 東インド会社は商社でありながらインドに領地を得たことによって、領地の統治者=政府となった。われわれにはなかなか理解しにくいが、約二〇〇
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ミャンマー情勢は率直なところまるでわからない。なので、この件についてはノイズのようなものをブログで流すのはよくないのではないかとも思っていたが、これだけの騒ぎになるのだから、時代のログとして少しメモを残しておきたい。 まずミャンマーの政治状況についてなのだが、このブログでは3年前こ「極東ブログ: ミャンマーの政変、複雑な印象とちょっと気になること」(参照)で触れたことがある。この構図が今回の情勢の背景にもつながっているだろう(つまり軍内部の問題があるだろう)と思われるのだが、そうした背景まで含めた報道は、今回の騒ぎを報道するメディアではあまり見当たらないように思える。 全体構図からこの騒動を見て、誰が利して誰が困惑するかとだけ問えば、英国が利して、中国が困惑するとなるだろう。つまり大筋としてこれは中国潰しということだろうか。困惑の度合いは、毎日新聞記事「ミャンマー:中国、対応に苦慮 資源確
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