中沢新一が解題編集している南方熊楠コレクション『森の思想』という本を再読。 南方熊楠コレクション〈5〉森の思想 (河出文庫) 作者: 南方熊楠,中沢新一出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2009/11/10メディア: ペーパーバック購入: 2人 クリック: 9回この商品を含むブログ (4件) を見る 中沢の文章はレトリカルに美しいが、内容はほんとうにこれでいいのだろうか。たとえば生態学に触れたところ。 景観の美的秩序は、生物界のエコロジカルな相互関係によって、支えられている。そこが美しくいられるのは、そこでおこなわれている生命同士の関係が、上手に調節されているからだ。そうでないと、自然の景観全体の美は、維持されるはずがない。この生態学的秩序の維持に、神社の森は、きわめて重要な働きをしてきた。生態の秩序は、水田が開かれただけで大きな損傷を受けるものだ。そこに鬱蒼たる神社の森があること