中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)にしてもシルクロード基金にしても、すでに中国経済の専門家を含むエコノミストの方々が、その本質をいろいろと議論されている。だがAIIBについては日本が参加しないことを、さも判断ミスであるように批判する報道も多かった。確かに、日本企業がアジアインフラ建設におけるチャンスを逃すことになるのでは、という懸念もあるのだろうが、こればかりは、博打と同じで、大儲けになるか大損をこくかは、賽の目を見なければ分かるまい。 私は胴元が胴元なので、日本は慎重姿勢を維持してよかったのだと思っている。GDPやPPP(購買力平価)に応じた出資を求められるとしたら百数十億ドルくらいは拠出せねばならないわけだから、ちょっと運だめし、という気軽な気持ちの参加ではすまない。そもそも中国は日本が主導するアジア開発銀行(ADB)の最大融資先で今なお最大の融資残高を保有しているのだから、