社会学。これほど人によって抱くイメージに開きがある学問も、そうそうないでしょう。私自身、大学時代に社会学専攻の人々の話を何度か聞く機会がありましたが、その無節操に広大な関心領域と、ほとんど実証性があるとは思えない、いい加減な方法論に圧倒されたものです(学生30人に対するアンケートって、現代日本を論じるためにそんなに頼りになるデータなのか?)。 もちろん、この見方にも多くの偏見が入り込んでいることは、私もほどなく気付きました。優れた社会学者の仕事は眼を見張るほどエレガントなものだったし、綿密に資料あたり、きちんとした統計に基づいて論拠を提出する良心的な社会学者も、いることはいる。 それでもやっぱり、心の底でこの学問に対する不信感を払拭することはできずにいました。何だかんだ言って社会学って、特定の利益集団やイデオロギーを正当化するためにこさえられた、学問の形をした隠れ蓑じゃないの? だからむし