沖縄で「ナガジューミーバイ」と呼ばれ、広く食べられている高級魚バラハタ。東京では一転、食中毒を起こす恐れがあるとして販売自粛の指導対象となる「有毒魚」で、築地市場の水産仲卸店で4月に売られた際は、都が即座に注意喚起し全国で盛んに報道された。騒動の影響を心配するのは沖縄の水産業関係者だ。「沖縄の食文化であり、大事な漁師の収入源。食べたら必ず食中毒になるかのような情報発信は一方的だ」と訴える。(社会部・新垣綾子) バラハタによる食中毒は「シガテラ」といい、下痢や嘔吐(おうと)、手足の温度感覚異常、血圧低下が主な症状。シガトキシンという毒成分が多量に蓄積された魚を食べると、数時間から24時間で発症することがある。厚生労働省のホームページでは、死亡例は「極めてまれ」とされる。 都はシガテラ毒の恐れで販売自粛を指導する魚介類に沖縄名「ミミジャー」のヒメフエダイ、「ガーラ」のカスミアジなども挙げ、