日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告が2019年にレバノンに逃亡。なぜ逃亡できたのか。今後の裁判の行方は。
日産自動車のカルロス・ゴーン元会長(64)が特別背任容疑で逮捕された事件で、ゴーン元会長の勾留理由を開示する手続きが1月8日に東京地裁(多田雄一裁判長)で開かれた。出廷したゴーン元会長は英語で約27分(通訳の時間も含む)におよぶ意見陳述を行い、「捜査機関からかけられている容疑は、いわれのないものだ」と無罪を主張し、「不当に勾留されている」などと徹底抗戦の構えを見せた。 (参考記事:徹底抗戦! これが日産ゴーン元会長が法廷で語った「宣戦布告」の全文だ) 勾留理由開示を受けて、同日午後3時からゴーン氏の弁護人であり、元東京地検特捜部長の大鶴基成弁護士が日本外国人特派員協会(FCCJ)で記者会見した。弁護人の説明を聞いて正直、驚くことがいくつかあった。弁護側の主張であることを差し引いても、ゴーン氏の逮捕事実は「なんでそれが罪になるんじゃ」と思わざるを得なかった。 新聞やテレビは弁護側(被疑者側)
東京地検特捜部は、ゴーン氏、ケリー氏の再逮捕事実での勾留の延長を、東京地裁に請求したが却下され、準抗告も棄却されて、両氏の再逮捕事実の勾留は、12月20日で終了し、両氏は、当初の逮捕勾留事実での「起訴後の勾留」だけとなった。 今日にも、弁護人が保釈請求し、ゴーン氏の保釈の可能性が高まったと見られていた矢先、衝撃のニュースが飛び込んできた。 特捜部が、ゴーン氏を特別背任で再々逮捕したというのだ。 再々逮捕容疑に関する疑問逮捕容疑は、 (1)ゴーン氏の資産管理会社と銀行の間の通貨のデリバティブ(金融派生商品)取引の契約で多額の損失が発生したため、2008年10月、契約の権利をゴーン氏の資産管理会社から日産に移し、約18億5千万円の評価損を負担する義務を日産に負わせた疑い (2)その際に信用保証に尽力した関係者が経営する会社に対し、2009年6月~2012年3月の4回、日産の子会社から計1470
日産自動車のカルロス・ゴーン前会長とグレッグ・ケリー前代表取締役について、東京地方裁判所が、検察が求めた21日以降の勾留の延長を認めない決定をしたことが関係者への取材でわかりました。弁護士が保釈の請求をし、認められれば、ゴーン前会長らは近く拘置所から保釈される可能性が出てきました。特捜部の勾留延長の請求が認められないのは極めて異例です。 日産自動車の会長だったカルロス・ゴーン容疑者(64)は、昨年度までの直近3年間のみずからの報酬を有価証券報告書に42億円余り少なく記載していたとして、今月10日、代表取締役だったグレッグ・ケリー容疑者(62)とともに金融商品取引法違反の疑いで東京地検特捜部に再逮捕されました。 2人の勾留は20日までが期限で、特捜部は勾留の延長を求めましたが、東京地方裁判所が、21日以降の勾留の延長を認めない決定をしたことが、関係者への取材でわかりました。 検察はこれを不服
「もう耐えられない」。マレー系英国人で英国弁護士資格を持つ専務執行役員は今年5月、日本人幹部にそう打ち明けた。幹部が「全部話してくれ」と問い返すと、「……会長の資金操作があまりにもひどい」。一旦重い口を開くと、そこからは日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)の巨額な報酬隠しや私的流用、自らの関与を告白し始めた。この告白が、半年後、ゴーン前会長の逮捕につながることになった。 横浜市の日産グローバル本社21階には「ゴーンズルーム」と呼ばれるゴーン前会長の執務室があり、隣接するのが前会長の職務をサポートする中枢組織の最高経営責任者(CEO)オフィスだ。執行役員は2014年4月、そこのトップに就任。社内から「こんなに出世するとは思いもしなかった」と陰口をたたかれるほど重用されたのも、前会長の右腕として報酬隠しを主導したとされる前代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者(62)と…
仏北東部モブージュにあるルノー工場を訪れ、ドローンを操作するエマニュエル・マクロン大統領(左から2人目)と同行したブリュノ・ルメール経済・財務相(右から2人目)、ルノーのカルロス・ゴーンCEO(右、当時)、ティエリー・ボロレ同最高執行責任者(COO、左、2018年11月8日撮影)。(c)Etienne LAURENT / POOL / AFP 【11月26日 AFP】金融商品取引法違反の疑いで先週逮捕され、日産自動車(Nissan Motor)会長を解任されたカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)容疑者が、有価証券報告書に虚偽の記載をする意図はなかったと容疑を否認していることが分かった。25日、日本のメディア各社が報じた。 仏ルノー(Renault)と日産、三菱自動車(Mitsubishi Motors)の3社連合をけん引していたゴーン容疑者は、役員報酬約50億円を有価証券報告書に記
一昨日(11月25日)にYahoo!ニュースに出した記事【ゴーン氏事件についての“衝撃の事実” ~“隠蔽役員報酬”は支払われていなかった】が大きな反響を呼んだ。そして、同日夜に個人ブログ「郷原信郎が斬る」に出したほぼ同内容の記事は、アゴラ、ブロゴス、ハフィントンポスト等に転載され、ネットメディアの「ITmedia ビジネスオンライン」には、最新の私のインタビュー記事が掲載され、それぞれ多くの人に読まれている。 昨日午後は、先週末から依頼されていた外国特派員協会での記者会見に臨み、50億円の役員報酬の虚偽記載が、まだ現実に支払われていない「退任後の支払の約束」だったとすると、今回のゴーン氏の逮捕の正当性には疑問がある、との私の見解を述べた。会見後も、フィナンシャルタイムズ、ワシントンポスト等から追加取材があったほか、東洋経済、ダイヤモンド、日経ビジネス等の経済紙からも取材を受けた。その一方で
金融商品取引法違反の疑いで逮捕された日産自動車のカルロス・ゴーン前会長が東京地検特捜部の調べに対しみずからの報酬を有価証券報告書に少なく記載する意図はなかったなどとして容疑を否認していることが関係者への取材でわかりました。この事件でゴーン前会長の認否が明らかになるのは初めてです。 ゴーン前会長は、公表されるみずからの報酬額を毎年10億円程度にするよう、ともに逮捕された側近で前代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者に(62)指示していた疑いがあるということですが、特捜部の調べに対し、有価証券報告書にうその記載をする意図はなかったなどとして容疑を否認していることが関係者への取材でわかりました。 前会長は取り調べに対して、黙秘などをすることなく検事にみずからの見解を主張しているということです。 この事件でゴーン前会長の認否が明らかになるのは初めてです。 また関係者によりますと、ケリー前代表取締役は「
「有価証編報告書虚偽記載罪で逮捕されたゴーン氏だが、そもそも会計人の眼から見れば、これは罪の要件を満たしていない」。『公認会計士vs特捜検察』などの著書のある会計人・細野祐二氏の特別レポート――。 本件の罪、成立せず 2018年11月19日午後、仏ルノー・日産自動車・三菱自動車の会長を兼務していたカルロス・ゴーン氏は、自家用ジェット機で羽田空港に入国するや直ちに空港内で東京地検特捜部に任意同行を求められ、同日夕刻、そのまま逮捕された。 逮捕容疑は有価証券報告書虚偽記載罪である。日産の代表取締役であったグレッグ・ケリー氏も同日同容疑で逮捕されている。 新聞報道によれば、日産自動車の2011年3月期から2015年3月期までの5事業年度において、カルロス・ゴーン前会長の役員報酬が実際には99億9800万円であったところ、これを49億8700万円として虚偽の有価証券報告書を5回にわたり関東財務局に
日産自動車のカルロス・ゴーン会長とグレッグ・ケリー代表取締役が金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で逮捕された事件について、昨日(11月24日)の新聞朝刊で、これまで判然としなかった容疑事実の中身について、衝撃の事実が報じられた。「虚偽記載」とされたのは、ゴーン氏が日産から「実際に受領した報酬」ではなく、退任後に別の名目で支払うことを「約束した金額」だというのだ。 今回の事件で、朝日新聞は、ゴーン氏が専用ジェット機で羽田空港に帰国するのを待ち構えて特捜部が逮捕した時点から「同行取材」し、直後に「ゴーン会長逮捕へ」と速報するなど、独走状態だった。上記の「約束した金額」だというのは、まさに「従軍記者」に近い朝日が報じている容疑事実の内容であり、しかも、読売新聞も一面で同様な内容を報じているのであるから、おそらく間違いないのだろうとは思う。 しかし、今回の事件の逮捕容疑の「虚偽記載
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