大手も他社から融通受ける事態 新電力も想定しなかった市場価格の高騰。その背景を取材すると、火力発電所の燃料である液化天然ガス(LNG)の全国的な不足が見えてきた。 市場価格は昨年末から上がっていた。資源エネルギー庁によると、米国などLNG原産地のプラントでトラブルが頻発。中国や韓国も寒波に見舞われて発電用のLNGが奪い合いになり、日本に入りにくくなっていた。国内の大手電力がガス火力の発電を絞る中で、急な暖房需要が発生。大手電力でさえ他社から電気の融通を受ける異例の事態となり、市場価格は急上昇した。 新電力のイーセル(西区)には同業他社から事業を買い取ってほしいとの打診が入るようになった。堀田剛社長(48)は「このままでは新電力の廃業が進み、消費者は電気の購入先が狭まる。LNGの在庫状況などの情報を可能な限り開示し、新電力が電気の需給動向を見極められる環境をつくってほしい」と訴える。 電力市