東京穀物取引所(東穀取)が、東京工業品取引所(東工取)に市場を移管するという記事が出ていた。東穀取は農水省の、東工取は経産省の管轄で、ずっと縄張り争いを続けてきたのだけれど、取引の減少で赤字に陥り、単独では存続できなくなったのだという。 日本には取引所が多すぎるから、統合は必要だ。でも縮小や整理ばかりでは未来に展望は開けない。いったいどこで間違ったのだろう。 もともと商品市場は、生産者や需要家がヘッジのために利用するものだ。ところが東穀取は、国内にほとんど生産者のいないコーヒーなんかを上場している。大豆もトウモロコシも外国産で、上場商品のなかで国産品は小豆だけだ。これでは、市場参加者が減ってジリ貧になるのも無理はない。 どうすればよかったのだろうか。 その答は簡単だ。日本でいちばん生産量の多い農産物は米なのだから、米の先物を真っ先に上場すべきだ。食糧制度の改革で価格の自由化が進めば、生産者