ドメスティックバイオレンス(配偶者らからの暴力=DV)が横行する中、日本人男性と国際結婚した在日外国籍の女性は、特に被害に遭いやすいとされる。日本に在留する権利を夫に握られ、圧倒的な力の格差がDVの温床になっているためだ。さらに新たな在留管理制度や、国際結婚が破綻した際の子どもの扱いを定めたハーグ条約への加盟が被害を助長しかねない。支援からこぼれ落ち、逃げ場のない絶望を抱えた女性たちは、さらに追い詰められようとしている。 ■□■ 堕胎を迫られた。「偽装結婚」と通報もされた。日本人の夫の家族と同居して間もなく、フィリピン国籍の女性は日本の習慣に不慣れなことを疎んじられるようになり、差別や暴力がエスカレートしていった。夫の実家を離れて姉の元に身を寄せ、長男を出産した。 言葉の壁や文化の違いを抱え、夫の家族や地域社会から孤立しがちな外国籍女性たち。在留資格の更新や変更には夫の協力が欠かせな