経営破綻(はたん)した商工ローン大手のSFCG(旧商工ファンド)の債権二重譲渡問題をめぐり、新生信託銀行(東京都千代田区)が、同じ債権について先に債務者から回収した元利金全額を返還するよう日本振興銀行(同)に約437万円の支払いを求めた訴訟の判決が27日、東京地裁であった。三村晶子裁判長は、新生信託銀への譲渡が優先されると認め、振興銀に全額の支払いを命じた。 二重譲渡問題をめぐっては同種訴訟が複数起こされているが、判決が出たのは初めて。関係者によると、SFCGから振興銀に約700億円の債権が二重譲渡されているという。今回の判決は他の訴訟や二重譲渡債権、振興銀の経営にも影響を与える可能性がある。 振興銀は「新生信託銀への債権譲渡は有効に成立していない」などと主張した。しかし、三村裁判長は「契約書が作成されるなど、信託契約が有効に成立したと認められる」と指摘し、新生信託銀への債権譲渡が行われた