【ソウル=黒田勝弘】4月の総選挙、12月の大統領選挙を前に韓国の放送や通信社などの労組が一斉にストに突入した。李明博政権下で政府・与党に有利な“偏向報道”が増えたとして社長退陣などを要求している。野党政権の誕生を狙った“政治スト”の色合いが濃く、すでに番組変更など影響が出ている。政治の季節を迎え、与野党対立はマスコミを巻き込み激しさを増しつつある。 ストに入っているのは2大放送のKBS(韓国放送公社)、MBC(文化放送)のほかニュース専門のケーブルテレビ・YTN、唯一の通信社・聯合ニュースなどで、韓国マスコミ界での比重は大きい。 労組側は、各社の社長とも政府の息がかかった人物で、その結果、政府・与党寄りの報道や番組が増え、批判的な記者や制作者は疎外されるなど「言論の自由」が損なわれている-と非難している。 この背景には、KBSやMBCなどの資本や経営陣に政府の一定の“持ち分”があるため、ト