成年後見人をだまして被後見人の預金を詐取したとして詐欺罪で起訴された福岡県弁護士会所属の弁護士島内正人被告(66)(北九州市小倉北区)について、2002年度以降、県弁護士会の相談窓口に「預けた金を返してほしい」などの相談が計41件寄せられていたことがわかった。相談は毎年寄せられていたが、県弁護士会が島内被告に改善するよう通知したのは09年だった。 県弁護士会の発表によると、相談の多くは依頼案件の処理の遅れだが、預かり金を巡る相談も8件あった。島内被告は04年度に九州弁護士会連合会理事長を務めたが、前後の03、05年度に最も多い各7件の相談があった。県弁護士会は09年3月になって、島内被告に改善を求めたという。 同会では、別の元弁護士による巨額詐欺事件でも、多くの相談が寄せられながら被害拡大を防げず、批判されていた。同会は元弁護士の詐欺事件を受け、9月に調査委員会を設置。対応に問題がなかった