タグ

ブックマーク / natrom.hatenablog.com (47)

  • 新型コロナに対するイベルメクチンのケースシリーズを発表してほしい - NATROMのブログ

    イベルメクチンに対する「熱狂」 一部の界隈で新型コロナウイルス感染症に対する抗寄生虫薬「イベルメクチン」への期待が高まっている。熱狂的であるとすら言える。「海外ではイベルメクチンが大きな成果を上げているのに日で使用が制限されているのはけしからん」といった具合だ。反ワクチンや陰謀論(「安価なイベルメクチンで新型コロナが予防・治療できるとワクチンをはじめとした高価な薬が売れないので巨大な利権が妨害しているんだよ!!」)とつながっていることもあり危惧を覚える。 現時点ではイベルメクチンが新型コロナに効くことを示す良質な証拠はない。日だけではなく、海外でも主な公的機関は臨床試験以外でのイベルメクチンの使用を推奨していないが、ごく当然のことである。「ワクチンは受け入れられたのに実績のあるイベルメクチンが受け入れらないのは不公平」という類の反論もあるが、イベルメクチンの偉大な実績は寄生虫疾患に対す

    新型コロナに対するイベルメクチンのケースシリーズを発表してほしい - NATROMのブログ
    vitamincba
    vitamincba 2021/08/28
    「何百人に投与して副作用疑いすらゼロということはありえない。副作用疑いがないとしたら、投与しっぱなしでフォローアップを全くしておらず副作用を疑うことができていなかっただけである」
  • 個人の反応が異なることはランダム化比較試験が実施できない理由にはならない - NATROMのブログ

    厚生労働省が統合医療について検討している。統合医療とは「近代西洋医学とそれ以外の伝統医学や相補・代替医療とを統合したもの」とのこと。いわゆる相補・代替医療の中にも特異的効果があるものも含まれているだろうから、その辺を評価してくれるといいなあと思っていた。 ちゃんと評価してれくれれば(コスト対効果の問題はあるにせよ)いいのだけど、ちょっぴり不安なことが。というのも、「必ずしもランダム化比較試験(RCT)をしなくてもいいじゃないか」という声が出てきたからだ。RCTというのは、治療の効果などを評価するときに、患者さん(被験者)をランダムに治療群と対照群に分けて比較すること。ランダムに分けることで様々な偏り(バイアス)を少なくすることができる。コストはかかるけど質の良い研究だと言える。 ところが、統合医療の評価についてRCT以外の方法を用いるよう提案されたとの報道があった。 ■統合医療も「EBMで

    個人の反応が異なることはランダム化比較試験が実施できない理由にはならない - NATROMのブログ
  • 「非常に感染力の強い方のお産」を扱う助産師 - NATROMのブログ

    自宅出産は医療機関で行う出産よりもリスクは高い。しかし、十分にリスクを説明された上での自宅出産の選択肢があってもいいと個人的には思う。ただし、その場合でも適切な医療介入は必要であろう。産科医から独立して助産院や自宅での出産を扱う助産師は、それだけ高い技術と知識を要するはずであるが、現実にはむしろ逆のように見える(たとえば、ブログ「助産院は安全?」のエントリー■2012-05-01 - Twitterからの【助産師会】が参考になるだろう)。 自宅出産を扱う開業助産師の医学知識について不安に思える一例を見つけた。「神霊教」という宗教に入信した助産師の話である。業務に影響しなければ、別に助産師がどのような宗教に入信していてもかまわない。さて、この助産師さんは「家族が参加する家庭での出産を扱う助産所を開業」した。妊婦さんたちは神霊教の信者ではないが、「少しは神霊教の御神光(みひかり)が行っている」

    「非常に感染力の強い方のお産」を扱う助産師 - NATROMのブログ
  • 標準医療をしなかった医師が提訴された - NATROMのブログ

    2011年12月22日付の西日新聞朝刊に、医師に対して遺族が損害賠償を求め、提訴したという記事が載った。報道が正確だとすれば、訴えられた医師は代替医療を行っていた。 「がん有効治療せず」提訴 死亡女性遺族 医師に賠償求め 2011年12月22日付の西日新聞朝刊より。 訴状によると、女性は昨年4月、大学病院で初期の卵巣がんと診断され、手術と化学療法を勧められた。しかし、手術を受けず、知人に紹介された同市中央区の内科診療所(今年9月に廃院)に約1年間、月2回ほど通院。病状は改善せず、今春には呼吸困難になったため家族が別の病院に連れて行ったところ、肺へのがん転移が判明。6月に亡くなった。 診療所の医師は「がん患者は何人も診ているから安心していい」と説明。毎回6万〜8万円の受診料で、マッサージやはり治療を施し、体操を指導、がんに効くという水を販売した。一般的ながん検査や治療はしなかったという。

    標準医療をしなかった医師が提訴された - NATROMのブログ
  • 武田鉄矢氏がラジオでソマチットに言及した - NATROMのブログ

    11月14日ごろから急に「ソマチット」で検索してくるアクセスが増えた。ソマチットとは、赤血球よりも小さい謎の不死生命体のことである。詳しくは、■謎の微小生命体ソマチット(ソマチッド)を参照のこと。要するに、ちょっとアレな自称研究者が、自作のスーパー顕微鏡で見えた何かを、未知の生命体と勘違いしてしまったというところ。日でも紹介者はいるにはいるが、ホメオパシーなどと比べるとマイナーな部類であろう。 急にアクセスが増えた理由はすぐに判明した。タレントの武田鉄矢氏がラジオでソマチットについて言及したらしい。いまのところ(2011年11月17日)は、インターネットラジオで聞ける。たぶん週替わりだから、聞くなら今のうち。 ■BBQR 文化放送インターネットラジオ 11/14更新分の「武田鉄矢・今朝の三枚おろし」の、22分21秒ぐらいから。相方の女性は水谷加奈さん。水谷さんのあいづちが、当に感心して

    武田鉄矢氏がラジオでソマチットに言及した - NATROMのブログ
  • はたともこ氏(民主党)の主張を紹介してみる - NATROMのブログ

    理想的な立候補者や政党はなかなか無いので、選挙では「比較的まし」な選択肢を選ばざるを得ない。どの政党にもある程度は困った人はいるだろうが、ある民主党公認候補者が主な理由で、前回の比例代表選挙では私は民主党には投票しなかった。その候補者が、今度、繰り上げ当選になるそうだ。 ■時事ドットコム:民主・秦氏が繰り上げ当選へ 西岡武夫参院議長が5日死去したことに伴い、2007年7月の参院選の民主党比例代表名簿に従って、秦知子氏が繰り上げ当選する。中央選挙管理会が近く決定する。 はたともこ(秦知子)氏は、薬剤師かつケアマネジャーと紹介されている。薬剤師であるから、理系方面、とくに医療関係で活躍を期待したいのだが、これから紹介するように、いろいろ不安がある。賛成するにせよ、反対するにせよ、繰り上げ当選して国会議員になる人物の主張を知っておくことは悪いことではなかろう。はたともこ氏のブログ、およびツイッタ

    はたともこ氏(民主党)の主張を紹介してみる - NATROMのブログ
  • 放射線被ばくで集患を - NATROMのブログ

    もしあなたが関東近辺の開業医で、クリニックがつぶれそうになっていたら、放射線被ばくとさまざまな症状を積極的に結びつけるとよい結果を産むかもしれない。鼻血や下痢などの症状が低線量の放射線被ばくで起きることは医学的には考えにくく、医師としての良心が残っているならば、安易にそうした症状と放射線を結びつけることはできない。また、周辺の医療機関からの信用もガタ落ちだろう。しかしながら、需要はある。 被ばくがあろうとなかろうと、常に下痢や鼻血は生じている。原因が明確でないこともいくらでもある。下痢の多くは感染によるものであるが、感染源や起炎菌が明らかになるほうが少ない。鼻出血も半数以上が特発性、つまり原因は不明である。しかし、原因が不明であると患者は不安に思う。原発事故の後に下痢や鼻血が生じたら、被ばくが原因ではないかと疑うのは、人の心の働きとしては当たり前のことだ。臨床医の役割は、そうした不安を理解

    放射線被ばくで集患を - NATROMのブログ
  • 「冷たい」標準医療は「ぬくもりある」代替医療に勝てない - NATROMのブログ

    がんばれ!山先生〈2〉 「がんばれ!山先生」は、日医事新報という雑誌に掲載されている4コママンガである。日医事新報は医師向けの雑誌であるので、「がんばれ!山先生」も、完全に医師向けの内容である。内輪受け、自虐ネタが多い。今回紹介する「現代ムンテラ事情」も、自虐ネタである。「ムンテラ」とは、患者さんやご家族に対する説明のことを指す業界用語である。もともとは、「口(くち)」という意味のムント(Mund)と、「治療」という意味のテラピー(therapie)を合わせた言葉であるが、以下に引用するように、ぜんぜん治療になっていないことが多い。 現代ムンテラ事情(がんばれ!山先生〈2〉より引用) むろんこれはマンガなので誇張されている。実際にはこんな医師はいないだろう。だけど、医師の多くは、このマンガを読んで、「アハハ、だよねー」と思うのだ。200分の1の死亡率と聞いて安心できない患者さん

    「冷たい」標準医療は「ぬくもりある」代替医療に勝てない - NATROMのブログ
  • ホメオパスになるためのコスト - NATROMのブログ

    ホメオパシーによる被害者は、レメディによる治療を受けた人だけではない。ホメオパス自身も被害者となりうる。ホメオパシージャパンの関連団体にホメオパスを養成する学校がある。学長は由井寅子氏だ。 ■ホメオパシー統合医療専門校 カレッジ・オブ・ホリスティック・ホメオパシー 患者だけではなく、「ホメオパスになりたい人」も、ホメオパシージャパンの顧客なのだ。カレッジ・オブ・ホリスティック・ホメオパシー(CHhom)には複数のコースがあるが、たとえば、「プロフェッショナル・ホメオパス養成コース」は、4年かけて、「日ホメオパシー財団日ホメオパシー医学協会(JPHMA)認定ホメオパスの受験資格」を得ることができる。もちろん、「JPHMA認定ホメオパス」は国家資格ではない。一民間団体の資格に過ぎない。私の見るところでは、「JPHMA認定ホメオパス」の資格には何の価値もなく、CHhomのやっていることはただ

    ホメオパスになるためのコスト - NATROMのブログ
  • クリニックで幹細胞療法はいかが? - NATROMのブログ

    幹細胞は、さまざまな細胞に分化する能力を持つ。骨髄移植や臍帯血移植などの造血幹細胞移植はすでに標準医療となっているが、それ以外の再生医療への応用については、まだ研究段階である。しかし、ロシアでは、「しわ取りから、パーキンソン病、インポテンツに至るまで、あらゆる治療をする」と宣伝されているそうだ。 ■違法幹細胞治療、ロシアで野放し | WIRED VISION スミルノフ所長は、いくつかの国立研究所で骨髄や脂肪から採取した成人の幹細胞を使った実験的治療が時々試みられているのは知っているという。しかしその他のクリニックの多くは、宣伝や注射の中身に関する規制がほとんどない状態で治療を行なっているとスミルノフ所長は指摘する。 科学者たちによると、幹細胞を培養して分離するには熟練した技術と高価な機器が必要だが、各クリニックが必ずしもそれらを備えているとはいえないという。そのため、幹細胞だとされるもの

    クリニックで幹細胞療法はいかが? - NATROMのブログ
  • HIVキャリアを理由に看護師を解雇することは正当か? - NATROMのブログ

    あなたは、ちょっぴりロリータ風味の2次元エロ同人誌をささやかな趣味として楽しんでいる成人男性だとしましょう。現実に被害者が存在する児童ポルノには手を出さないし、興味もありません。当たり前のことですが、現実の未成年の女の子に手を出すつもりもありません。大っぴらにすることではないですが、誰にも迷惑をかけるでもありません。ところが、ある日、職場(小売業とでもしましょう)で盗難事件があり、あなたに断りもなくあなたのカバンが調べられ、たまたまエロ同人誌が見つかってしまいました。上司は、 「当店では小学生のお子さんも来店する。うちでは仕事を続けさせることはできない。他の理解ある企業に面倒を見てもらっては」 と、それとなく退職を迫ります。2次元エロ同人誌を所持していたというだけの理由で、退職を迫るのは正当なことでしょうか? 「2次元エロ同人誌所持者が、小学生に性的いたずらをすることは当然ありうることだよ

    HIVキャリアを理由に看護師を解雇することは正当か? - NATROMのブログ
  • 嫌煙者詐称に対して懲罰審査を実施する真の嫌煙者 - NATROMのブログ

    過激な嫌煙運動は、阿呆な喫煙擁護論と同じくらい興味深い。「禁煙ファシズムはけしからん」と主張する愛煙家の人々の気持ちがよくわかる事例を紹介したい。日市民の化学ネットワーク(JPCCN)という「化学物質のリスクコミュニケーションや身近な暮らしの化学情報文化の普及を通じて、社会に貢献する、非営利・民間発の公益セクター」*1がある。このJPCCN全国代表事務局であるjpccnさんとmuimiさんとのTwitterでのやりとりをまとめた。 ■Togetter - まとめ 嫌煙者詐称に対して懲罰審査を実施するJPCCN 見どころを紹介・引用しよう。まずは、「合成洗剤は閉鎖性海域の生物多様性を貧弱化させる、家庭で使う洗浄剤のすべてを合成洗剤から石けんに替えよう」という主旨のjpccnさんのツイートに対して、やや懐疑的なツイートをmuimiさんがつけたところから議論ははじまる。最初のうちは有意義な議論

  • 生活習慣病が増えているにも関わらず寿命が延びているのはなぜか? - NATROMのブログ

    武田邦彦氏が、生活習慣病が増えているにも関わらず、日人の寿命が延びていることについての疑問を書いておられた。 ■武田邦彦 (中部大学): 生活習慣病になると長生きする? 日では、年配の人の多くが生活習慣病で60%とも70%とも言われる。 そして、具体的な生活習慣病と死亡率の関係を調べてみると、生活習慣病でない人を基準にすると、次のように死亡確率があがるとされている。 1.糖尿病 :       1.64倍 2.高血圧 :       1.55倍 3.メタボリック症候群 : 1.36倍 4.高コレステロール血症 : 1.10倍 また、3大生活習慣病で死ぬ人を10万に当たりで示すと、 1950年   250人 2000年   500人 となっている。つまり、生活習慣病で無くなる人が、全体の7割、 生活習慣病にかかると死亡率は1.5倍、そして生活習慣病で死ぬ人は50年で2倍になった! ・・・

    生活習慣病が増えているにも関わらず寿命が延びているのはなぜか? - NATROMのブログ
  • バイオラバーの驚異的な効果 - NATROMのブログ

    諸君らはバイオラバーを知っているかな?このステキな商品を紹介しているサイトがあったので引用するよ。どうしてリンクを張らないのかは、読めばわかるはず。暇な人はカット&ペーストでGo! ■バイオラバーの効果(ttp://www.asakusakid.com/bio-rubber/html/about.html) ふつう、ラバーといえば、石油から作られています。 しかし『バイオラバー』は、炭酸カルシウムを99.7%以上含む高純度の石灰石をベースにしています。 さらに『山化学工業』独自の技術により、ラバーはミクロの気泡によるハニカム構造(蜂の巣状)になっています。 この構造に、ある種の金属を混入させることで、人体に好影響を与えるバイオウェーブ(波長4〜25ミクロンの赤外線)が発信されます。 このバイオウェーブと人体の波長が共振することで、体の中の水分子やタンパク質分子が均一化・活性化され、代謝促

    バイオラバーの驚異的な効果 - NATROMのブログ
  • ニセ科学を見抜く練習問題(「バイオラバー」応援サイトから) - NATROMのブログ

    突然ですがここでクイズです。バイオラバーは山化学工業株式会社が開発した特殊なラバーで、「人体が持つ波長にもっとも近いバイオウェーブを出し、その共振効果によって、健康づくりや医療分野などで活躍」しているそうです。以下に引用する臨床実験で、「バイオラバーが糖尿病に効果があると実証された」と主張されています。Q.:この実験でバイオラバーの効果が実証されたと言えますか?理由をつけて答えてください。 ■「バイオラバー」応援サイト*1の■バイオラバーの効果*2より引用 インスリン非依存型の糖尿病に効果 糖尿病には2つのタイプがあり、バイオラバーは、このうちの2型、つまりインスリン非依存型に効果があることが、臨床実験で実証されています。 バイオラバーを膵臓のある位置にあてて軽くマッサージを続けると、血糖値が下がりはじめます。 個人差はありますが、多くの症状改善例が報告されています。 バイオラバーを使っ

    ニセ科学を見抜く練習問題(「バイオラバー」応援サイトから) - NATROMのブログ
  • ホメオパシーに予算を割くべきか - NATROMのブログ

    「代替医療のトリック」で語られているテーマは幅広く、一つや二つのエントリーでは言い尽せない。このエントリーでは、「代替医療にどれくらい研究資金をつぎ込むべきか。どの代替医療が研究に値するのか」という問題を考えてみたい。「代替医療のトリック」の献辞は、チャールズ皇太子に対して捧げられている。チャールズ皇太子は代替医療に好意的で、「代替医療にもっと研究資金を」と訴えてきた(P305)。一方で、医療研究者の多くは代替医療の効果に懐疑的だった。多くの研究がなされたが、現在得られている科学的証拠によれば、宣伝されているほどの効果は代替医療にないことが明らかになった。 研究結果がフィードバックされる、つまり、たとえばホメオパシーが無効であるという研究によって人々がホメオパシーに無駄なコストをかけないようになるのであれば、研究は無駄ではなかったと言えるだろう。しかしながら、ホメオパシーは無効であるという

    ホメオパシーに予算を割くべきか - NATROMのブログ
  • 吉村医院の哲学 - NATROMのブログ

    以前、■信仰と狂気〜吉村医院での幸せなお産で言及した吉村医院が取り上げられると聞いて、2010年2月7日の「エチカの鏡」というテレビ番組を視聴した。吉村医院は自然分娩を行う産科医院で、番組内では好意的に取り上げられていた。自然分娩という選択肢があってもいいと私は考えている。ただし、妊婦および家族に対して自然分娩のリスクについて十分に説明されている必要がある。テレビ番組では、自然分娩のリスクの説明が不十分であるように感じられた。「動物には難産はない」「江戸時代にはツルツル生まれていた」と、あたかも自然なお産では難産はないかのように誤解させる内容だった。ただ、編集によってリスクの話が削られたのかもしれない。 死んだっていいって思やあ、それでいい 吉村医院院長の吉村正医師が、自然分娩のリスクをどのように考えているかについて、「きらきらねっと」というページに掲載されていたインタビュー記事*1が参考

    吉村医院の哲学 - NATROMのブログ
  • 信仰と狂気~吉村医院での幸せなお産 - NATROMの日記

    「幸せなお産」というコラムを見つけた。「有機野菜・無添加の素材をつかったオーガニック料理」を配達するお店のサイトのコンテンツ*1で、「人生マクロビオティック」「オーガニック生活のすすめ」といったコラムの中の一つである。たまたまうまくいった例を紹介して自然分娩を賛美するのはよく見かける。このコラムも「病院での人工的な分娩ではなく、自然な分娩を行いうまくいったハッピー」という内容だろうなと読者諸君は想像されるかもしれない。しかし、このコラムはその想像の斜め上をいく。 ■幸せなお産 (■魚拓)(オーガニックエッセイ たけまつばなし一覧) 多少長いので、要約する。両親ともに「お肉もべない無添加のバリバリオーガニック生活」を送っていた。妊娠が判明し、近所にマクロビオティックの助産院があったが、「逆子は法律上、助産院では産めない」。大阪の病院では「あなたの骨盤ではこの大きな頭の赤ちゃんの自然分娩は無

    信仰と狂気~吉村医院での幸せなお産 - NATROMの日記
  • 「代替医療のトリック」 - NATROMのブログ

    ■代替医療のトリック(サイモン・シン著, エツァート・エルンスト著, 青木薫訳)。原題はTrick or Treatment?。著者の一人のサイモン・シンは、サイエンスライターとしてトップクラスであり、暗号解読やフェルマーの最終定理といった著作がある。「代替医療のトリック」も含め、いずれも青木薫による翻訳である。私は、サイモン・シン+青木薫という組み合わせのは自動的に買うことに決めている。もう一人の著者のエツァート・エルンストは、プロフィールによれば、「代替医療分野における世界初の大学教授」であるとのこと。「著者論文多数」ともあるが、Pubmedで調べてみるとその通りであった。たとえば、「"Ernst E"[Author] and homeopathy」では73件が引っ掛かった。これからは、良く知らない代替医療について調べたいときには「"Ernst E"[Author] and 」を付け

    「代替医療のトリック」 - NATROMのブログ
  • 体験談は証拠にならない〜浄霊による体験〜 - NATROMのブログ

    子に必要な医療を受けさせない「医療ネグレクト」のニュース。亡くなった赤ちゃんに哀悼の意を表します。 ■時事ドットコム:7カ月長男死なせる=病院行かずに「手かざし」−両親を殺人容疑で逮捕・福岡県警 生後7カ月の長男が細菌に感染して衰弱しているのに、宗教上の理由から病院に連れて行かずに死なせたとして、福岡県警捜査1課などは13日、殺人容疑で、福岡市東区の宗教法人「新健康協会総部」職員高月秀雄容疑者(32)とで同職員の邦子容疑者(30)=いずれも同区唐原=を逮捕した。同課は医療放棄による殺人事件として東署に捜査部を設置し、全容解明を進める。 捜査部によると、2人は教義に従って手をかざすことで病気やけがを治すとされる「浄霊」をしただけで、定期健診なども受けさせていなかった。いずれも容疑を認め、秀雄容疑者は「病院に行こうと思った時期もあったが、結果的に子供を見殺しにした」と供述、邦子容疑者は

    体験談は証拠にならない〜浄霊による体験〜 - NATROMのブログ