首の痛みのほとんどは、筋肉の疲労などによるもので、心配はいらないが、なかには専門的な治療が必要な重い病気が隠れている場合もある。北里大学北里研究所病院 副院長の千葉一裕(ちば・かずひろ)さんに、首の痛みの原因となる要素を挙げていただいた。 * * * 「首の痛み」とは、肩甲骨周辺から後頭部の辺りまでを含めた痛みを指し、多くの人が日常的にこの痛みを経験しています。 一般に、首の痛みの約9割は原因がはっきりしていません。多くが筋肉の疲労や精神的なストレスが関係しているとされ、1、2週間で改善することが多く、あまり心配しなくてもよいものです。 しかし、残りの約1割は明らかな原因があるもので、原因として、骨に転移したがん、感染症(※)などの病気や、骨折・脱臼といった外傷のほか、「頚椎(けいつい)椎間板ヘルニア」「頚椎症」「後縦靱帯骨化症(こうじゅうじんたいこつかしょう)」などがあげられます