江戸の風俗や景色をダイナミックに描いた江戸時代のアート「浮世絵」は国内外で高い評価を得ている。そして、官能的な日常風景や日常を超越したファンタジーを表現した浮世絵の一種「春画」もまた海外でコアなファンを獲得している。 海外での春画ブームが日本に逆輸入される形で一昨年、日本において初の「春画展」が開催されたが、その熱気たるや想像以上だった。某週刊誌での掲載が物議をかもしながらも、入場制限まで設けられるほどの混雑ぶりを筆者も目の当たりにした。 江戸の恋愛・性愛事情は、男女関係をイメージする方が多いかもしれないが、歌川国貞や、柳川重信といった浮世絵師たちは、男性同士の性愛や恋愛模様を描いた作品を残している。今、浮世絵を通じ、海外でひそかな注目を集めているのが「若衆」という美しい少年の存在である。 ◆ニューヨークで「若衆」の存在を描いた浮世絵展が開催中 現在、米ニューヨークの「ジャパン・ソサエティ