下村博文・文部科学相が今月、著書を出版した。胃がんの宣告を受けていたことを初めて明らかにする一方、安倍晋三首相に近い保守派として、現憲法のあり方を厳しく批判している。 著書「9歳で突然父を亡くし 新聞配達少年から文科大臣に」(海竜社)によると、第1次安倍政権で官房副長官を務めていた2007年に胃がんを宣告されたが、首相や秘書にも知らせないまま、胃の切除手術を受けた。また、第2次安倍政権で初入閣した際、当初安倍晋三首相から環境相を打診されたが断り続け、首相の4度目の提示で念願だった文科相ポストを勝ち取ったとも明かした。 憲法については、特にその成立過程を「日本国の主権がなかった時代に無理やり押しつけられた」と断じ、9条2項を「極めて無責任で非現実的な条文」と批判している。