宮崎県で口蹄(こうてい)疫が拡大している問題で、殺処分作業が滞っている。19日午前までで殺処分対象の牛や豚など計約11万8千頭のうち作業が終了したのは約半分の6万5千頭。政府の対策の実施で新たに20万頭以上の殺処分も始まる。人手も足りず、自衛隊などの応援部隊を総合的に動かす“司令塔”が不足していたことも事態の悪化に拍車をかけたようだ。 ■埋める場所足りず 「現場では感染の疑いがある家畜も飼育しながら殺処分を待っている。特に豚は非常に大量のウイルスを出す。現状が続けば感染を食い止めるどころか、小動物などの媒介で感染が拡大するだろう」 宮崎大農学部の後藤義孝教授(家畜微生物学)は、殺処分の停滞による蔓延(まんえん)の危険を指摘する。 家畜伝染病予防法で、口蹄疫の感染が確認された家畜や疑いのある家畜は殺して焼却するか土中に埋める「殺処分」が義務付けられている。今回は獣医が薬殺し、消毒された土中に