環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉に参加する日米など12カ国は、8日に開かれた首脳会合を年内妥結に向けた「重要な節目」と位置づけていたが、旗振り役のオバマ米大統領の欠席で空振りに終わった。交渉参加国では、年内妥結の機運が急速にしぼんでおり、交渉妥結は越年して長期化する可能性も強まっている。21世紀型の通商秩序を目指すTPPは、失速の瀬戸際に立たされた。 同日午後3時、首脳会合の会場には、オバマ氏の代理として出席したケリー国務長官に続いて、各国首脳が続々と入場したが、会話も握手も交わさないまま着席した。首脳たちに笑みはなく、静寂に包まれた会場が、厳しい交渉を如実に物語った。 会合後、安倍晋三首相は「首脳間で、政治的判断、決断が必要だという認識が共有され、大変有意義だった」と語った。だが、首相の言葉とは裏腹に、参加国内では越年交渉を容認する声が上がり始めている。 オバマ氏に代わって議長役