米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設受け入れの是非を最大の争点とした沖縄県名護市長選は19日投開票され、移設反対派の現職・稲嶺進氏(68)(無=共産・生活・社民推薦)が、推進派の新人で前自民党県議・末松文信氏(65)(無=自民推薦)を破って再選を果たした。 稲嶺氏は選挙戦で、工事に関連する市長の許認可権をもとに移設を阻止する考えを強調した。しかし、政府は、昨年末に仲井真弘多(ひろかず)知事が移設先の同市辺野古沿岸部の埋め立てを承認したことを踏まえ、近く着工に向けた調査に入る方針だ。 選挙戦は、稲嶺氏と、末松氏の一騎打ちとなった。 稲嶺氏は、知事による埋め立て承認で移設工事が動き出すことから、今回の市長選について「移設阻止に向けた最後の砦(とりで)になる」などと訴えた。受け入れに伴う米軍再編交付金や振興策に頼らなくても、市政の運営は可能と主張し、飛行場の県外移設を求める有権者に浸透した。