シャルケ04が2−1とバレンシアをリードしていた。アウエーでの第1戦は1−1だったから、2−2になるとバレンシアの勝ち抜けが決まってしまう。第4の審判が4分のロスタイムを知らせると、ベルティンス・アレーナ(シャルケの本拠地)に「ピー」という非難の口笛が鳴り響いた。 ロスタイムの攻防は、バレンシアがシャルケゴール前に殺到し、シャルケがこれをしのぐとカウンターからビッグチャンスを作ることの繰り返し。シャルケの攻撃がいったん途切れると、バレンシアのベンチは「上がれ! 上がれ!」、シャルケのベンチは「戻れ! 戻れ!」とピッチに指示を送る。要は両チームの選手とも目指すポジションは、シャルケ陣内奥深くだった。 大味かつ濃厚なロスタイム。その時間が4分経とうとしたころ、GKノイアーからのロングキックを受けたFWファルファンがとどめのループシュートを決めて、とうとうシャルケが3−1としベスト8進出を決