収益モデルを重視する企業が多い中、経営学者として著名な伊丹敬之氏は、模倣されやすい収益モデルよりも、企業経営の根幹といえるビジネスシステムこそが他社との大きな差別化要因になると語る。 早稲田大学 IT戦略研究所は1月20日、企業の経営層を集めたエグゼクティブ・リーダーズ・フォーラム(ELForum)の「第11回 コロキアム」を開催した。基調講演に登壇した東京理科大学の伊丹敬之教授は「ビジネスモデルは収益モデルのことを指すと思い込んでいる人が多い」と、ビジネスモデルに対する誤解を指摘した。 東京理科大学の西野和美准教授の定義によれば、ビジネスモデルとは、製品やサービスを顧客に届けるまでの仕事の仕組みを指す「ビジネスシステム」と、収益を上げるためのビジネスの仕掛けを表す「収益モデル」が組み合わさったものだという。収益モデルは分かりやすく魅力的に映るため注目を集めやすいが、「情報システムや従業員