「第3世代携帯電話(3G)事業者とそのグループ会社は対象外」。総務省が5月に公表した2.5GHz帯高速無線ブロードバンドの免許方針案が波紋を呼んでいる。 各3G事業者は実証実験まで実施し,免許獲得に向けて準備を進めてきた。にもかかわらず,免許交付の対象外となったことに戸惑いを隠せない。「免許交付で落選するならともかく,免許方針案の段階で対象外になるとは予想だにしなかった」「全くの想定外」といった声が漏れ聞こえてくる--。 モバイルWiMAXに群がる通信事業者とメーカー 2.5GHz帯とは,通信速度が最大20M~30Mビット/秒以上の高速無線ブロードバンドに利用する予定の周波数帯である。総務省は2006年3月から約1年かけ,「広帯域移動無線アクセスシステム委員会」で2.5GHz帯の技術条件を検討してきた(図1)。通信方式としては,IEEE 802.16e(モバイルWiMAX),iBurst(