シリーズ「等身大のアフリカ/最前線のアフリカ」では、マスメディアが伝えてこなかったアフリカ、とくに等身大の日常生活や最前線の現地情報を気鋭の研究者、 熟練のフィールドワーカーがお伝えします。今月は「最前線のアフリカ」です。 文化遺産という言葉は、1980年代以前、耳にすることはほとんどなかったように思う。しかし近年は、マスメディアの影響もあり、身近に感じられるようになっているのではなかろうか。 昨年2016年には、「ル・コルビジェの建築作品」を構成する資産のひとつとして、東京の国立西洋美術館が世界遺産リストに記載された。また、日本の33ヶ所でおこなわれている「山・鉾・屋台行事」が、ユネスコの「代表的な無形文化遺産」リストに記載された。一般には気づかれぬ価値を持つものが、今後も、文化遺産のリストに含められていくことになろう。そしてそのたびに、われわれは、その「文化遺産」にあらたな目を向けなお