昨年夏に、鳥飼玖美子著『英語教育論争から考える』がみすず書房から出版された。 私は同書の書評を『新英語教育』2015年2月号(三友社出版)に寄稿させていただいた。 書評の依頼を受けたとき「1000字以内」と伝えられていたのだが、そのことをすっかり忘れたまま執筆にとりかかってしまったため、結果的に2000字以上も書いてしまった。一応、編集担当の方にお伺いをたてみたが、そのまま掲載することはできず、泣く泣く千数百字削らなければならなかった。もったいないので、こちらには削る前の原稿を転載したいと思う。 鳥飼玖美子『英語教育論争から考える』(みすず書房、2014) 本書は、英語教育論争および英語教育政策の歴史を跡付けながら現代の英語教育のあり方を問うた本である。章立てを以下に記す。 第1章 「英語教育大論争」 第2章 「平泉試案」を現状に照らしてみる 第3章 「コミュニケーションに使える英語」、そ