「ユーザー企業が必要としているのはどのようなシステムか」を定義した要求仕様書を,いかに適切に作成するか――IT業界における長年の懸案事項である。日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)は7月5日,この課題の解決を狙った「要求仕様定義ガイドライン」を発表した。システム開発に必要な情報を盛り込んだ要求定義書をどのように書けばよいかを具体的に示すことを意図したもので,「要求仕様書をいかに作るかという“how”に踏み込んだガイドラインは初めてではないか」と,JUASの細川泰秀専務理事は話す。まだ未完成の部分もあるが,ユーザー企業やベンダーの参考資料として役立ちそうだ。 要求仕様定義ガイドラインでは,要求仕様書の構成要素を,(1)(狭義の)要求仕様書,(2)概念データモデル,(3)入出力の定義,の三つとする。中核となるのは(1)。まず,システムに対する要求を「上位の要求」「下位の要求」という二つの
システム要求仕様書の書き方 IEEE Std. 830-1998, IEEE Recommended Practice for Software Requirements Specificationより Table of Contents (目次) 1. Introduction (はじめに) SRSの「はじめに」では、SRS全体の概要を書く。 1.1. Purpose (目的) この小節では SRSの目的を描写する SRSが意図する聴衆を指定する 1.2. Scope (範囲) この小節では これから作るソフトウェア成果物に名前を付ける このソフトウェア成果物が何であるか(必要ならば、何でないか)を説明する 指定されたソフトウェアの適用について、対応する利点、目的、目標を含めて記述する もし上位レベルの仕様書(例えばSyRS)があれば、同様の記述と矛盾がないようにする 1.3. Def
概 要 今回はIEEE830[1]に基づいてソフトウェアに関する要求仕様の標準的な構成例を紹介しよう。立命館大学の大西教授と山梨大学の郷助教授による「要求工学」[2]の第4章でもIEEE830が解説されている。 IEEE830では表1に示すように要求仕様を、目次、はじめに、要求仕様の一般的な説明、要求仕様の具体的な説明、付録、索引から、構成することを推奨している。 IEEE830 では、ソフトウェアをシステムの一部であるとしており、システムの要求仕様とソフトウェアの要求仕様を区別するためソフトウェア要求仕様( Software Requirements Specification)を略してSRSと記述する。これに対してシステム要求仕様をSyRSと略記する[3]。本稿ではSRSについて解説する。 表1 IEEE 830 による要求仕様の構成 SRS 第1章「はじめに」 「はじめに」ではSRS
自分なりにまとめたシステム仕様書の書き方を書いておきます。 表紙 表紙は1枚でまとめる。 ・システム名 ・版数 1.00からスタート。改訂するごとに1.10、1.20と増えていく。細かい修正などは1.01などとする。 ・仕様書の枚数 変更履歴 変更履歴は新規作成時、変更毎に記入する。1枚でまとめる。 ・システム名 ・版数 ・変更区分(新規 or 更新) ・変更したページ番号 ・変更内容 ・作成者&作成日 ・承認者&承認日(押印等) はじめに この仕様書の意味を記述する。この仕様書が、誰に対して、何を実現するシステムの、何に関して記述しているのかを記述する。必要であれば、お客様のどの要望を、どのように解決するのかも記述する。またシステム固有の専門用語が出てくる場合はその説明も付け加える。1枚程度でまとめる。 目次 番号体系が3層になるように記述する。以下に例を示す。 1 業務要件・・・・・・
IT導入はどうして失敗するのか? なぜ、導入効果が分からないのか? ユーザー企業が知っておくべきITに関する知識と考え方を“本質から”解説していく ある調査によると、ITプロジェクトの70%が失敗しているという。これは、何も昨日今日IT化を始めた企業の話ではない。一方、書店に行くとIT関連の書籍が山積みされているが、いずれも専門性が高くIT技術者向けに書かれたものが大半である。ユーザー企業の立場で実務的に解説したものは極めて少ない。 しかしIT導入を行う企業は、IT業者に任せる部分は任せるにしても、ITの本質を知り、自社で押さえるべきところは押さえ、業者の説明や見積もりを理解して、対等に渡り合えるようになるべきである。本稿はそうした「最小の投資で最大の効果を得、会社を強くする」企業システム戦略実践のための基礎知識を連載していくものだ。少しでも皆さまのお役に立てれば幸いである。 ITの本質
「要求仕様書」の必要性は、多くの人が認めているにも関わらず、実際には殆ど書かれていません。仕様を意識していることは、プログラムのバグの原因分析において、「仕様モレ」や「仕様の勘違い」といった項目で集計されることからも分かります。でもそこまでです。 開発組織によっては、それに代わるものとして「機能仕様書」と呼ばれるものが書かれていることがありますが、その場合、内容は当然のことに「機能」に限定されます。残念ながら「機能」だけでは要求を満たすのに十分ではありません。「品質」も製品を構成する重要な要素です。また、機能仕様がどうやって抽出されたかが問題です。 多くの開発現場で遭遇する混乱のおおもとは、殆どが「要求仕様書」の不備に起因しているのです。一体、「要求仕様書」にはどんな役割があって、どのようなところに注意して書けばよいのか。 また、よく分からないものとして「要求」と「要求仕様」の違いにつ
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