「赤塚不二夫、死去」のニュースを聞いて「ああそうか、夏の人だったな」と思った。ニャゴロワも後ろを向いて悲しそうである。大きな雲の姿になって悲しみを表現。「今日は曇り」の天気予報のようである。赤塚不二夫の死を悼み、なぜ彼が私にとって「夏の人だった」のか、それを書いておきたい。 私は子供時代にあまりマンガを読まなかった。私の世代には珍しいことなのだろうが、「天才バカボン」も「もーれつア太郎」も読んだことがない。だから赤塚不二夫について私が唯一知っているのは「おそ松くん」である。小学生時代の私の愛読書は小学館の図鑑シリーズ。「植物の図鑑」「採集と標本の図鑑」「気象と天文の図鑑」「理科実験の図鑑」「日本歴史の図鑑」「地球の図鑑」「世界歴史の図鑑」「日本地理の図鑑」、そういう写真と図表と絵がふんだんに掲載された図鑑を来る日も来る日も眺め、いつの間にかみんな暗記してしまい、大学受験までは図鑑の知識でほ