儒教の祖・孔子を祭る孔子廟(びょう)に那覇市が土地を無償提供したのは「違憲」。最高裁は憲法の政教分離原則に反するとした。「論語」は宗教でなく教養として親しまれており異論も出そうだ。 「子曰(いわ)く…」は漢文の授業で習った人も多かろう。中国古典は日本でも古来、学問の対象だった。七〇一年には、大学寮で孔子を祭る行事が行われた記録が「続日本紀」にある。 江戸時代には儒学、とりわけ朱子学が幕府の官学となり、その精神は庶民に至るまで大事な道徳規範でもあった。伝統的に日本でも文化や慣習になじんでいる。宗教意識はほぼ希薄で、むしろ教養や哲学としてであろう。