研究には将棋ソフトも使う。「将棋はそんなに簡単に負けるものでもないというのが、ソフトから得た将棋観ですね」と話す平藤真吾七段=大阪市福島区の関西将棋会館で、新土居仁昌撮影 失礼な言い方になるが、タイトルとは無縁の棋士人生。だが、どこかひょうひょうとした物腰が気になっていた。プロ入りは27歳。遅咲きである。「勝ち負けは想像以上に厳しいですよ。好きでないと地獄ですね、この世界は」。バイプレーヤーと言うのもちょっと違う、文字通り異色の棋士。半生を振り返る言葉にも独特の味がある。若き天才棋士の活躍やAI(人工知能)の進化で変貌を続ける将棋界。「これからどんなことになっていくんやろうか」。勢いを増す大きな渦に興味は尽きないという。 中学生のとき棋士にあこがれた。だが、棋力はアマ10級。とても「プロになりたい」とは言えなかった。将棋道場に通い、関西奨励会に入会したときは高校2年。6人の同期のうちプロに