ビジネスから日常会話まで、あらゆるコミュニケーションの場面で求められる「説明力」。話が長い、何を言いたいのかわからない……そのように思われないためには、どうすればよいのだろうか? 教育学者で、著書『頭のよさとは「説明力」だ』がある齋藤孝氏が勧めるのは、「本の要約」だ。このトレーニングをくり返すことで、自然と上手な説明ができるようになるという。詳しいやり方を、本人に教えてもらった。 私はこの要約力のトレーニングとして、大学の講義で、一冊の本をA4の紙一枚にまとめることを学生に課しています。毎週、講義のたびに、一冊の本を読んできて、その内容をA4一枚の用紙にまとめ、それぞれ一分間で発表するのです。 せっかく文系の学生として大学に入ってきたからには、卒業するまでにたくさん本を読んでその内容を自分のものにしてほしいし、本を読む習慣とともに、本を読める能力も身につけてほしいという狙いも、この課題には