4月8 原田泰『震災復興 欺瞞の構図』(新潮新書) 7点 カテゴリ:政治・経済7点 日本人一人あたりの持つ物的資産は966万円。 津波による浸水地域の住んでいる人の数はおよそ50万人。 966万円に50万をかけるとその被害額はおよそ4.8兆円。津波意外の被害などを多めに見積もっても被害額は6兆円(なお、この本では原発事故に伴う損害はまずは東電が負担すべきものとして計算に入れていない)。 けれども政府の示す復興に必要な金額は19〜23兆円。 もし23兆円使うとしたら、被災者一人あたりに4600万円の復興費を書けることになります。 この試算と政府の復興計画がいかに無駄と欺瞞に満ちたものであるかということを示したのがこの本。 やや大雑把で乱暴な部分もある本ですが、震災復興における「合理的」な考えというものを鮮やかに示すと同時に、現在の復興計画の問題を鋭く突いている本です。 著者は復興に一人あたり