ゼロ年代、若者を中心に人気を博した漫画『ソラニン』(小学館)といえば、浅野いにおの代表作であり、累計90万部を超える大ヒット作。同作の完結から11年が経った今年、A5サイズの新装版『ソラニン』として再登場し、同時期に発売された単行本『零落』とともに話題を呼んでいる。 作者本人も「図らずも『ソラニン』と対照的な漫画になったんじゃないかなと思う」(※)と語っている。それぞれのカラーは異なるが、根底には“夢を追うこと”という共通のテーマが感じられる、二作の魅力について紹介しよう。 (※)新装版『ソラニン』あとがきより 悩みの全てが若く、まぶしい、新装版『ソラニン』 社会人2年めのフリーターバンドマンの種田と、大学時代からの種田の恋人・芽衣子の日々を描く青春漫画。大人というには若く、子供と呼ぶには現実がわかりはじめる20代半ば、そんな彼らが抱く悩みを真正面から描き、同世代の共感を呼んだ。恋人や仲間