奈良地方裁判所の前で、初公判の間、報道陣をにらむように仁王立ちしていた鹿(10月28日午後、筆者撮影) 安倍晋三元首相を殺害したとして殺人などの罪が問われている山上徹也被告の裁判員裁判が終盤を迎えている。10月28日から奈良地方裁判所で始まり、14回の公判を経て被告人質問まで終わった。 筆者はそのうち12回の公判を傍聴できたが、この裁判に関する主要メディアの報道には不正確なものがいくつもある。2022年7月の事件発生後、この裁判が始まるまでになされてきた報道にも多くの誤報が見つかっている。 裁判では証人尋問や被告人質問が長時間行われたため、全てを報道できないのはやむを得ない。だが、事件の重大性の割に裁判報道の量は十分でなく、いくつもの重要なファクトが抜け落ちている。 この記事では、裁判で明らかになった事実や発言のうち、特に重要と考えられるものを中心に簡潔に紹介する。メディアが大きく報じてい

