ブックマーク / tuyogarichallenger2014.hatenablog.com (3)

  • 沼正三『家畜人ヤプー 第1巻』幻冬舎アウトロー文庫、1999 - ふつうのどくしょにっき

    2000年後の世界、それは日人が、家畜、になっている世界。 いや、それは少し不正確だろう。より正確には、黄色人がすべて家畜とみなされ、しかし、黄色人の中では日人のみが生き残っている(日人以外は絶滅している)が故に、日人のみが家畜になっている世界、と言った方がいい。 その主人は、白人。白人=人間。黒人=半人間。そして、黄色人(日人)=家畜。 その用途は、現代(2016年)の他の家畜をすべて足し合わせても足りないほどに豊富。 私の最も印象に残ったものを挙げると、たとえば「セッチン」。これは、書では「肉便器」のフリガナに当てられている。それはもちろん「トイレ」を意味する。見た目に関しては人間と呼ぶにはあまりにも異形の形をしている。頭は逆三角形で手は肘から先はない。足も膝から下は切り落とされている。しかし、それは、確かに人間。人間が「いーてぃんぐ」したり、「どりんきんぐ」したりする。何

    沼正三『家畜人ヤプー 第1巻』幻冬舎アウトロー文庫、1999 - ふつうのどくしょにっき
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    x0raki 2016/06/18
  • Project Itoh 『屍者の帝国』 - ふつうのどくしょにっき

    「まず、わたしの仕事から説明せねばなるまい」 「必要なのは、何をおいてもまず、屍体だ」 19世紀のロンドン。 ヴィクトリア女王の下で繁栄を極めている大英帝国の、ある狭い一室で、わたしは、親友を生き返らせた。 人間は死ぬと21グラム軽くなる。それは霊素の重さ、つまり、魂の重さ。 「21グラムの魂を証明して見せろ」 そう言ってわたしを置いていった彼が今、目の前でゆらゆらと揺れている。 「おかえり、フライデー」 しかし、翌日、大英帝国の諜報機関、ウォルシンガム機関に見つかった。屍者を生き返らせる技術は国家機密であり、無許可によるよみがえりは重罪なのだ。 「取引といこうじゃないか」 ウォルシンガムを束ねるMが持ちかけてくる。懲役を免除する代わりに、「ヴィクターの手記」を探して来いと言う。ヴィクターの手記には、100年前に唯一魂を持つ屍者を生み出した、ヴィクター・フランケンシュタインの技術が記載され

    Project Itoh 『屍者の帝国』 - ふつうのどくしょにっき
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    x0raki 2015/10/17
  • 伊藤計劃・円城塔『屍者の帝国』(河出文庫) - ふつうのどくしょにっき

    ぼく、という意識。 あなた、という意識。 それはいったい何であろうか。 それは現実なのか、それとも夢なのか。 いや、そもそもとして現実とはいったい何なのか。 ぼくは世界から遮断された狭いベッドの上で、一人たたずむ。 と、夜、就寝前の読書をしていたら、頭の中がヒートして混乱の極地に至りました。 書は伊藤計劃さんと円城塔さんの合作でありますが、その99%は円城さんの手によるものであり、これはもはや「円城塔」の著作と言ってよいかと思います。 主人公は、あの「ジョン・H・ワトソン」。 世界一有名な(ぼくが勝手にそう思っている)私立探偵シャーロック・ホームズの助手に当たります。 『屍者の帝国』は、ワトソン博士がロンドン大学を卒業してシャーロックに出会うまでを、大胆かつ緻密に練り上げて作られた物語です。 「歴史改変もの」と呼ばれる書ですが、実際の19世紀の世界情勢(日も出てきます)に小説「シャー

    伊藤計劃・円城塔『屍者の帝国』(河出文庫) - ふつうのどくしょにっき
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    x0raki 2015/10/13
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