かなり挑発的なタイトルになってしまったが、このところ流行の数量経済史に覚える違和感の一端をド素人ながら考えてみた。 主食など生活必需品の需要曲線は価格弾力性が低く、傾きが急な右下がりの曲線となる。なぜなら人間は価格が下がるまで霞を食べながら「私待つわ、いつまでも待つわ」などとあみんのような悠長なことを言ってはいられないからだ。一方で価格の下落を待てる一般商品の需要曲線の傾きはゆるやかである。他方の供給量は1年ごとに作況が決まるので定数となり垂直な直線で表される。これを図示すると図1、2のようになる。 Fig.1 主食など生活必需品の需給均衡点(1石あたりの米の価格を例にした場合) 人口は一定とする。なぜなら飢餓で人口が減り始めるのは凶作時に価格と供給量が均衡したあとに始まるからである。 さて図1では平年の作柄において「単価と取引総量の積」(「総生産」と仮に呼ぶ)は80,000両となる。一方