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増田文学に関するxKxAxKxのブックマーク (2)

  • こたつ

    コタツとは冬の間だけの共同生活だから寂しいね、と言ったら 「私は別に寂しくありませんよ。」とコタツに返されて、少し寂しかった。 なんで寂しくないの。夏の間、ずっと押入れにいて暇じゃないの。と聞くと 「コタツとはそういうものです。」 と、にべもない。 そのあと少し喧嘩みたいになった。 私が、「夏にコタツを出さないのは、つまりはコタツの中での固定観念なのだから、別に夏に出してもいいじゃん。私はその方が嬉しいよ。」 と言ったら、コタツは黙ってしまった。 何かタブーに触れたのかもと思っだけど、私もムキになって喋らないでいた。 そしたら、コタツの中が寒い。 いくら温度を上げても暖まらないから、怒ってるんだな、と分かった。 私はコタツの電源を切って、そのまま寝た。 朝になって、昨日のことを謝ったら、コタツも 「私もムキになり過ぎました。」 と言ったので、仲直りした。 共同生活というのは、時々こういうこ

    こたつ
  • 肉を切る

    切れ味の悪くなった包丁は、鈍色に錆びた刀身を光らせている。消費期限が切れかかった、特価品の鶏もも肉208gを、発泡スチロールから取り出してやる。左手で必死に肉を押さえつけ、皮を断ち切ろうとするが、ぬめってしまってなかなか切れない。手が、脂と消毒された獣の臭いに満ちる。洗い流そうと、蛇口をひねってみたところ、水が出てこない。一拍おいてやっと、一昨日辺りから水道を止められていたことを思い出す。軽く舌打ちし、包丁を強く抑えつけながら貧乏揺すりでもするように前後に揺らす。十数回揺らしたところで、右腕の筋が悲鳴を上げるので、その貧弱な右腕をだらんと脱力させる。骨と皮ばかりの僕に比べて、この鶏はよく肥えてやがる。手についた脂に、改めて嫌悪感を覚える。この鶏は、恐らくブラジルからやってきたのであろう。そして、望むか望まぬかに関わらず、飼料という飼料をぶち込まれ、首を絞められ、捌かれ、凍らされ、日へと運

    肉を切る
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