12日、オランダの仲裁裁判所で南シナ海問題に関する判断が示された。これはフィリピンの申し立てに基づいた調停の結果である。 報道では中国側主張のいくつかが否定されたといったものだ。その内容について、裁判所のプレスリリースによると、要旨は次のとおりとなっている。 中国主張の九段線は法的根拠がないこと。暗礁やその上に建設された人工島は領海や排他的経済水域(EEZ)を発生させられないこと。中国がフィリピンの海洋活動を不当に妨害したこと。環境破壊を引き起こしたこと。そして中国は問題を深刻化させたことだ。 だが、裁定により中国は敗北し、南シナ海での海洋進出は否定されたのだろうか? それは誤った理解である。中国は南沙の領有を否定されたわけではなく、フィリピンも中国との領土争いに勝利したわけではないためだ。 ■南沙領有は否定されていない まず注目すべきは、裁定は南沙等の領有そのものについて言及し