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ブックマーク / davitrice.hatenadiary.jp (31)

  • 「からかいの政治学」(読書メモ:『増補 女性解放という思想』) - 道徳的動物日記

    増補 女性解放という思想 (ちくま学芸文庫) 作者:江原 由美子 筑摩書房 Amazon 『増補 女性解放という思想』は昨年の12月にネット上の「からかい」に関する記事を書いた後にAmazonのほしいものリストから買ってもらったのだが、最近は「からかい」に関する文章を改めて書いて文学フリマに出品しようかなと考えているところであり、そのために書に収録されている「からかいの政治学」やその他の文章をいまさらながら読んだ。 とりあえず、「からかい」という行為の特質や悪質さをうまく表現していると思った文章はこちら。 なぜなら、「からかい」という表現には、単なる批判や攻撃、いやがらせにとどまらない固有の質があるからである。たとえばそのことは、「からかわれた」側の女性たちの反応、怒りが、単なる攻撃に対するのとは異なる質を持っていたことからも明らかである。それは、いわば内に屈するような、憤りの捌け口を

    「からかいの政治学」(読書メモ:『増補 女性解放という思想』) - 道徳的動物日記
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    xorzx 2023/10/09
  • 【2023年版】キャンセル・カルチャーのなにが問題か - 道徳的動物日記

    (6/14追記:トークイベントをやりましたのでよかったら視聴(※チケット購入)してください) #左からのキャンセル・カルチャー論 無事終了!!🙌 あいちトリエンナーレの件から 小山田圭吾事件、あらゆる差別問題… 様々な角度から “キャンセル・カルチャー”に ついて議論しました🤔 (たっぷり150分!!) アーカイブ6/27まで残ります ぜひご視聴ください👀https://t.co/0kDi3cqSHb pic.twitter.com/H8Mtb9ZCOA — 阿佐ヶ谷ロフトA (@AsagayaLoftA) 2023年6月13日 twitcasting.tv www.loft-prj.co.jp 日開催の「左からのキャンセル・カルチャー論」に備えた、要約・メモ的な記事。もっと早く書きたかったんだけど、開催数時間前とかなりギリギリの公開になってしまった。 1・(法律的な)手続きを無視

    【2023年版】キャンセル・カルチャーのなにが問題か - 道徳的動物日記
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    xorzx 2023/06/13
  • ピーター・シンガーによる「言論の自由」論 - 道徳的動物日記

    出勤前の短い時間なのでメモ的な記事。 www.project-syndicate.org 昨年の11月に倫理学者のピーター・シンガーが書いたコラム。イ ーロン・マスクTwitterを買収したことに言及しながら、自身が編集委員をやっている雑誌 Journal of Controversial Ideas (論争的な問題についてのジャーナル)について紹介(宣伝?)するような内容だ。 とくに重要だと思ったところを、(時間ないので)Chat GPTに訳してもらった。 マスクが「Wokeの精神のウイルス」と呼ぶもの……政治的に正しくないと見なされる意見を主張する人々を攻撃したがること……そして政治的な立場を横断した真の対話が欠如していることに関して、私はマスクと同じ意見を持っている。だからこそ、私はJournal of Controversial Ideas という学術雑誌の創設編集者の一人となっ

    ピーター・シンガーによる「言論の自由」論 - 道徳的動物日記
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    xorzx 2023/06/01
  • ミソジニー論客たちのエコーチェンバー - 道徳的動物日記

    お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード ジェンダー・フェミニズム批評入門 作者:北村 紗衣 文藝春秋 Amazon 大して話題になっている問題でもないが、つい気になってしまってTwitterで言及してしまったので、ブログのほうでも考えを残しておく。 togetter.com 上記のTogetterにもまとめられているように、2月25日から、山内雁琳 (@ganrim_)が北村紗衣の単著『お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード』に記載されている「歴史修正主義」に関する記述について批判を行うツイートをしている。 Togetterには載っていないが、発端は、高橋雄一郎弁護士による以下のツイート。 北村紗衣「お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード」(文藝春秋)読了。映画音楽演劇と凄まじい量の前提知識を要求する。検索しつつ読むのが大変。p91に「歴史修正主義というのは来、新史料の発掘や再解釈によってこれまでの

    ミソジニー論客たちのエコーチェンバー - 道徳的動物日記
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    xorzx 2023/02/27
  • 読書メモ:『現代思想入門』 - 道徳的動物日記

    現代思想入門 (講談社現代新書) 作者:千葉雅也 講談社 Amazon 大学生から大学院一年生の頃までのわたしはいっちょまえに「哲学」や「思想」に対する興味を抱いており、哲学書そのものにチャレンジすることはほとんどなかったが、様々な入門書は読み漁っていた。現代思想については難波江和英と内田樹による『現代思想のパフォーマンス』でなされていた紹介をもっとも印象深く覚えており、次点が内田樹の『寝ながら学べる構造主義』や竹田青嗣の『現代思想の冒険』。個別の思想家についてはちくま新書の『〜入門』やNHK出版の『シリーズ 哲学のエッセンス』を読んでいたが、とくに後者についてはあれだけ何冊も読んだのに一ミリも記憶が残っていない。そして、修士論文を書くために英語圏の倫理学や政治哲学のをメインに読むようになってからは現代思想に対する興味はすっかり薄れて、以降ほとんど触れなくなってしまった。 千葉雅也による

    読書メモ:『現代思想入門』 - 道徳的動物日記
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    xorzx 2023/02/17
  • 自由や責任についてどう「解釈」するか?(読書メモ:『そうしないことはありえたか?:自由論入門』) - 道徳的動物日記

    そうしないことはありえたか?: 自由論入門 作者:高崎将平 青土社 Amazon 「自由意志は存在するか否か」と言われたら、わたしを含めた多くの人が、「事実」に関する問題だと思うだろう。……つまり、自由意志というものがこの世界には「ある」のか「ない」のか、ということについての話であるような印象を受けるのだ。 また、「決定論についての議論」と言われた場合にも、最初に聞いたときには「世界が決定されているか否か」に関する議論であるように思うはずだ。つまり、(ビッグバンが起こったり神様が作ったりしたとかの理由で)この世界が生じた瞬間からこの世界が終わるまでの全時間の全場所に起こる全ての物理的な現象とか存在とかは確定されており、わたしたちの意識も脳みそとか電気信号とかの物理的なものの所産に過ぎないからいつどこでなにを考えたり計画したりどんな行為をするかまでもが決定されているのか、それともそうではない

    自由や責任についてどう「解釈」するか?(読書メモ:『そうしないことはありえたか?:自由論入門』) - 道徳的動物日記
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    xorzx 2023/01/26
  • 読書メモ:『リベラルとは何か 17世紀の自由主義から現代日本まで』 - 道徳的動物日記

    リベラルとは何か 17世紀の自由主義から現代日まで (中公新書) 作者:田中拓道 中央公論新社 Amazon ●ワークフェア競争国家 「ワシントン・コンセンサス」は、「底辺への競争」論とともに、新自由主義が世界を席巻しつつあることの象徴として語られてきた。しかし、これらは1990年代以降の先進諸国の実態とは必ずしも対応していない。すでに第1節で見たとおり、先進国の多くでは、税収も公的社会支出も減っておらず、「底辺への競争」は見られないからである。 さらに、「ワシントン・コンセンサス」もそのままあてはまるかどうか疑問である。たしかに、1980年代のアメリカやイギリスでは新自由主義的改革が試みられた。しかし、どちらの国でも「小さな政府」は実現できなかった。国内で格差が広がると、新自由主義への反発が強まり、1990年代に入ると政権交代が起こった。経済界、金融財政エリートの意向だけでは、新自由主

    読書メモ:『リベラルとは何か 17世紀の自由主義から現代日本まで』 - 道徳的動物日記
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    xorzx 2023/01/19
  • 「だれを好きになるか」を批判の対象にしていいのか?(読書メモ:『すごい哲学 世界最先端の研究が教える』 - 道徳的動物日記

    世界最先端の研究が教える すごい哲学 総合法令出版 Amazonしてもらったので読んだ。十数人以上の若手日人哲学者が「サステナブルなファッションを選ぶにはどうしたらいいか?」や「小説を読むことで人はやさしくなれるのか?」といった具体的かつ詳細なトピックについて、(主に海外の)最新論文を紹介しつつ3〜5ページで短く論じる、という。 全体的に執筆者たちは自分の書いているトピックについて距離がとれており、冷静であっさりした文体が多い。「まえがき」では「少し変わった哲学の入門書」とされているが、哲学の考え方や方法を体系的に学べる教科書といったものでもない。全体的なとりとめのなさから、「哲学・倫理学の与太話集」といった表現のほうが合っている気もする。 とくにわたし自身の生活や人生経験に関わるものとして興味のあるトピックを挙げると、「マッチングアプリで好みでない人のタイプを書くのは差別か?」

    「だれを好きになるか」を批判の対象にしていいのか?(読書メモ:『すごい哲学 世界最先端の研究が教える』 - 道徳的動物日記
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    xorzx 2023/01/18
  • 正義論と自己責任論(読書メモ:『平等とは何か』①) - 道徳的動物日記

    平等とは何か 作者:ロナルド・ドゥウォーキン 木鐸社 Amazon 11月から読み始めたのだが、オンライン記事や書評の依頼が重なったり年末年始に遊び過ぎたりしていて、読み終えるのに二ヶ月かかってしまった ちなみに、ここで紹介する責任論や「運の平等主義」と呼ばれるドゥウォーキンの考え方については入門書などである程度は知っており、下記の記事もこの考え方に基づいたものである(字数が足りなかったり削られたりして全く不十分な内容になってしまったし、そもそも抽象的であるからテーマ自体がオンライン記事には不向きなものであったように思えるけど)。 shueisha.online 人々の運命は選択と環境によって決定される。選択は人格(personality)を反映しており、人格自体は二つの主要な構成要素から成っている。すなわち、企図(ambition)と性格(character)である。ある人の企図とは、そ

    正義論と自己責任論(読書メモ:『平等とは何か』①) - 道徳的動物日記
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    xorzx 2023/01/12
  • 「からかい」を批判する - 道徳的動物日記

    御田寺圭(白饅頭)のについては、批判的な書評をしたり、「ネット論客」としての彼の議論やビジネスのスタイルを批判したりした*1。 最近になって、わたしに対する御田寺からの人格批判じみた揶揄がいくつか投稿されている(「学術コンプ」と言われたり「アホ」と言われたりするなど)。 俺は、学歴コンプとは別に「学術コンプ」というものがあると思っています。 https://t.co/Nk1rW3M3pe — 白饅頭(御田寺圭/光属性Vtuber/バーチャルツイッタラー) (@terrakei07) 2022年11月29日 そういうのを「自己紹介」してしまうその瞬間にだけ発せられる人間性の輝きが、俺は三度の飯より好きです。 https://t.co/uaGn6RKBcB — 白饅頭(御田寺圭/光属性Vtuber/バーチャルツイッタラー) (@terrakei07) 2022年12月7日 ピンカーの意見と真

    「からかい」を批判する - 道徳的動物日記
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    xorzx 2022/12/09
  • 『「社会正義」はいつも正しい』についての、いくつかの雑感 - 道徳的動物日記

    「社会正義」はいつも正しい 人種、ジェンダー、アイデンティティにまつわる捏造のすべて 作者:ヘレン プラックローズ,ジェームズ リンゼイ 早川書房 Amazon 早川書房から翻訳が出版された作家のヘレン・プラックローズと数学者のジェームズ・リンゼイの共著『「社会正義」はいつも正しい』に関して、出版とほぼ同じタイミングで山形浩生による「訳者解説」が公開された。 しかし、公開当初から訳者解説が差別的であるとしてTwitterなどで炎上。そして、公開から数週間が経過した先日に、公開停止が早川書房からアナウンスされた。 11月15日に弊社noteに掲載した記事「差別をなくすために差別を温存している? 『「社会正義」はいつも正しい』の読みどころを訳者・山形浩生が解説!」につきまして、読者の皆様から様々なご意見を頂いております。出版社がなんらかの差別に加担するようなことがあってはならず、ご指摘を重く受

    『「社会正義」はいつも正しい』についての、いくつかの雑感 - 道徳的動物日記
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    xorzx 2022/12/07
    ”早川書房による「記事の公開停止につきまして」のアナウンスで、訳者解説のなかのどのような箇所に関してどのような懸念があるかということが具体的に記されていない、というのはかなり問題だ。”
  • ネット論客がインテリから相手にされない理由 - 道徳的動物日記

    davitrice.hatenadiary.jp (6月23日 21:45追記) 最初のタイトルには個人名を入れていましたが、記事のタイトルを「(個人名)が〜から相手にされない理由」にすることはあまりに個人攻撃的に過ぎるという指摘を受けて、同意しましたので、タイトルを修正しました。 (追記終わり) 先日にわたしが投稿した、御田寺圭の著書『ただしさに殺されないために~声なき者への社会論』への書評記事にはブクマやSNSなどで様々な反応があった。全体的には賛否両論という感じ。 みんなの反応を見て、反省すべきと思ったところはふたつ。 まずは、書評のタイトルと実際に論じている内容にズレがあり、ややミスリーディングになってしまったことだ。書評のタイトルを見ると「不都合な現実に対する解決策が書かれていないこと」が問題であると論じているように思われしまうかもしれないが、実際には、「提示される"不都合な現実

    ネット論客がインテリから相手にされない理由 - 道徳的動物日記
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    xorzx 2022/06/23
  • 「世の中の理不尽さ」や「不都合な真実」を強調して、それでどうするの?(読書メモ:『ただしさに殺されないために』) - 道徳的動物日記

    ただしさに殺されないために~声なき者への社会論 作者:御田寺圭 大和書房 Amazon いま執筆を進めている「反ポリコレ」の参考になるかと思って『ただしさに殺されないために〜声なき者への社会論』を読んでいるけれど、案の定、まったく面白くない。 Amazonレビューにもある通り、「身もふたもない現実」や「不都合な真実」、世の中に存在する残酷さや不条理さを指摘するだけであり、その現実や不条理さについて社会はどう向き合うべきか、個人はどうやって対処するべきか、といった前向きな提言や解決策はほぼない*1。 さらに言うと、こののなかで提示されている「現実」や「真実」は実に恣意的に選択されている。たとえば、昨今では男性に比べて女性だけが解放されたり社会的に尊重されていたりすることを何度も取り上げて、そのことが(弱者である)男性に対してもたらす苦痛や苦悩や理不尽さといったものが繰り返し強調されるが、

    「世の中の理不尽さ」や「不都合な真実」を強調して、それでどうするの?(読書メモ:『ただしさに殺されないために』) - 道徳的動物日記
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    xorzx 2022/06/17
  • 社会は「男性の幸福度の低さ」について配慮するべきか? - 道徳的動物日記

    新版 現代政治理論 作者:W. キムリッカ 日経済評論社 Amazon 最近はキムリッカの『現代政治理論』をじっくりと読んでいたのだが、最終章の「フェミニズム」の章で、近頃の日(のネット上)における議論にとっていろいろと示唆に富む箇所があったので、かなり長くなってしまうけど引用する。 フェミニズム政治理論の一種である「ケアの倫理」アプローチに対する批判的なコメント、という文脈の文章であるが、政治や倫理一般にひろく当てはまる議論であるだろう。 なぜ正義を唱える理論家は、他者への責任を公正の要求に限定することが重要だと考えるのであろうか。仮に、主観的苦痛が常に道徳的な要求を呼び起こすとするならば、倫理的ケアにかかわる事柄として、私のあらゆる利益に注意を向けるよう他者に期待するのは正当である。しかし正義を唱える理論家にしてみれば、このように言うことは、自分自身の利益の一部については全責任を負

    社会は「男性の幸福度の低さ」について配慮するべきか? - 道徳的動物日記
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    xorzx 2022/03/09
    ”結婚できない男性たちの幸福度が低くなったことを配慮や補填などを女性たちに要求することはできない” 全く当然で当たり前だと思う。
  • 「弱いものいじめ」としてのキャンセル・カルチャー - 道徳的動物日記

    s-scrap.com 晶文社の連載で先日に書いた内容の続編的なものを書くために、キャンセル・カルチャーに関する洋書をいくつか取り寄せてもらって読んでいる。 そのうちの一冊が『Cancel This Book: The Progressive Case Against Cancel Culture(書をキャンセルせよ:進歩派によるキャンセル・カルチャーへの反論)』。 Cancel This Book: The Progressive Case Against Cancel Culture 作者:Kovalik, Dan Hot Books Amazon 著者のダン・コヴァリクは昔ながらの労働者支持の左翼。それはいいのだが、タイミングの悪いことにかなりの親ロシア派であって、『The Plot to Scapegoat Russia: How the CIA and the Deep Sta

    「弱いものいじめ」としてのキャンセル・カルチャー - 道徳的動物日記
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    xorzx 2022/02/26
  • 「非モテ」は「モテないからつらい」、ではない?(読書メモ:『「非モテ」からはじめる男性学』) - 道徳的動物日記

    非モテ」からはじめる男性学 (集英社新書) 作者:西井開 集英社 Amazon 第一章で提示される、書のねらいは以下の通り。 ……登場してから二〇年以上もの間、「非モテ」論は主にネットを中心として議論と考察が繰り返されてきた。その蓄積に敬意を払うと同時に、私は「非モテ」論が限界に立たされているとも感じている。それは、これまで見てきた「非モテ」論の多くが「モテない」こと、つまり恋人がいないことや女性から好意を向けられないことが問題の核心であるという前提に立っているという点にある。 (…中略…) 果たして当に「非モテ」男性はモテないから苦しいのだろうか。時に暴力にまで走ってしまうほどの苦悩の説明を「モテない」という状況にだけ求めてしまっていいのだろうか。書で問おうとするのはここである。 ところで杉田[俊介]は『非モテの品格』の中で、性愛的挫折がトラウマのように残り続ける原因として、非正

    「非モテ」は「モテないからつらい」、ではない?(読書メモ:『「非モテ」からはじめる男性学』) - 道徳的動物日記
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    xorzx 2022/02/04
  • 内田樹の「被害者の呪い」論 - 道徳的動物日記

    blog.tatsuru.com たまたまの偶然で、2008年に内田樹が書いたブログ記事が目に入ってきた*1 この記事は、直接的には、当時開催されていた北京オリンピックの「聖火リレーをめぐる騒動」について言及したものである*2。また、文中には「統合失調症」についての記載があるが、当時に付いたはてなブックマークコメントでも指摘されている通り、この部分はかなり問題含みで不適当なものだ。 それでも、このブログ記事の後半で展開されている議論は、なかなか鋭い。当時よりも現在の社会に対してなおさら当てはまるような、含蓄のある指摘だ。だから改めて取り上げてみてもバチはあたらないだろう。 私は自制することが「正しい」と言っているのではない(「正しい主張」を自制することは論理的にはむろん「正しくない」)。けれども、それによって争いの無限連鎖がとりあえず停止するなら、それだけでもかなりの達成ではないかと思って

    内田樹の「被害者の呪い」論 - 道徳的動物日記
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    xorzx 2021/07/28
  • 社会的制裁のなにがよくないのか - 道徳的動物日記

    anond.hatelabo.jp 普段ははてな匿名ダイアリーの投稿にはあまり反応しないのだけれど、最近の事例についてはいろいろと思うところがあるので、昨日にTwitterに下記のような投稿をした。 社会的制裁を生み出すような道徳感情は集団や社会の秩序を維持したりするうえでは不可欠なはずであり、社会的制裁が望ましい結果を生み出すこともあるけれど、法律的な制裁と違ってコントロール不可能でありいつ望ましくない結果が出るのかもわからないので、原則的に「社会的制裁はよくない」とすべき https://t.co/xyqyMgRvhh— デビット・ライス (@RiceDavit) 2021年7月18日 "「正しい怒り」と「正しくない怒り」が存在するという考え方は、ただちに「自分の怒りは正しいが、あいつの怒りは正しくない」という発想に結び付くことは火を見るよりも明らかだ。" ネットリンチとかpublic

    社会的制裁のなにがよくないのか - 道徳的動物日記
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    xorzx 2021/07/20
    社会的制裁はその罪に対して行き過ぎる事が往々にしてあり制御出来ない。またその罪が本当ではなかったとしても回復出来ない。/正論だとは思う。過度に加担しないよう自制したい。
  • 89年生まれのわたしにとっての「はてな」 - 道徳的動物日記

    このブログではめずらしく個人的な思い出話。 91年生まれ大反省会をしたい。わたしは91年生まれで今年30になる。若者と括られてきたけど、明らかに今の世代と全く育ってきた景色が違うことを感じる。政治家と言えば小泉首相、まだ日は経済的にすごいと習ったし、嫌韓屋に並び、ネットは2chにニコニコ、メディアは「オネエ」を笑っていた。 — 永井玲衣 (@nagainagainagai) 2021年7月5日 当時K-POPを色んな人が恐れていたのを覚えている。学問といえば受験勉強、フェミニズムはヒステリー、社会運動は危険、資主義は疑えないもの。数え切れないイメージが潜在的に内面化されているはず。ここをしっかり毒出しして反省しないと、これからの世代を抑圧してしまう。ここが分水嶺だと思う。 — 永井玲衣 (@nagainagainagai) 2021年7月5日 ↑ Twitterでこういう投稿をみ

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    xorzx 2021/07/07
  • 「愛のあるセックス」はなぜ必要か(読書メモ:『性と愛の脳科学』) - 道徳的動物日記

    性と愛の脳科学 新たな愛の物語 作者:ラリー・ヤング,ブライアン・アレグザンダー 発売日: 2015/12/09 メディア: 単行 このの概要については先日の記事でさくっと触れているので、いきなり題から*1。 このでまず面白かったのが、第4章から第6章にかけて、女性と男性が異性に対してそれぞれに抱く愛情の質の違いを分析するところだ。 第4章の「母性を生む回路」では、自分が産んだ子供を世話したいと母親が思う感情、つまり「母性愛」の存在が脳科学の観点から説明される。端的にいえば、母性愛とはプロラクチンとオキシトシンというホルモンによって引き起こされる。オキシトシンが母親に与える影響の具体例は、以下のようなものである。 人の母親が赤ん坊を胸に抱いてやる時、母親は赤ん坊の顔と目を見つめ、赤ん坊もしばしば、母親の顔を見つめ返す。母親は赤ん坊の泣き声や、赤ん坊の声に耳を傾け、自分からも声をかけ

    「愛のあるセックス」はなぜ必要か(読書メモ:『性と愛の脳科学』) - 道徳的動物日記
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    xorzx 2021/04/20