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ブックマーク / kamiyakenkyujo.hatenablog.com (45)

  • ハラスメントは組織の外で認定してもらうべきだ - 紙屋研究所

    ハラスメント問題の処理——認定や救済は、組織や団体の中で閉じ込めて、外に漏らしてはいけないだろうか? ハラスメントは日では現在違法——犯罪扱いされていない。 しかし、ハラスメントの中でも例えば刑法に触れる性暴力に該当する場合は、さすがに組織内にとどめよ、と主張する向きはあるまい。レイプされても組織の外に出してはいけない、ということになったら、これはもういくら結社の自由でそういうルール(内部問題が外部に持ち出さない)を設けていますからといっても、そういうルール自体が「公序良俗」に反することは明らかだ。 では、現行法に触れない程度のハラスメントはどうだろうか。 例えばハラスメントについての国際条約を日も批准して一刻も早くハラスメントを違法=犯罪として扱うべきだ、と主張している団体があるとすれば、そういう団体においては、当然ハラスメントは全て犯罪として扱うべきであろう。そのような組織において

    ハラスメントは組織の外で認定してもらうべきだ - 紙屋研究所
    y-mat2006
    y-mat2006 2024/03/21
    どっちもどっち論で消費しちゃダメな論点。きちんとスジを通さなきゃ。
  • 花輪和一『刑務所の中』 - 紙屋研究所

    リモート読書会で花輪和一『刑務所の中』を読む。 刑務所の中 作者:花輪和一 講談社 Amazon ぼくがファシリテーターを務めたので、最初に報告した一文を紹介しておく。 なお、ぼくは花輪についてほとんど詳しくはない。なので、最初は、花輪について書かれたウィキペディア(2023年9月26日)を使わせてもらった(そこには不正確なこともあるかもしれないのだが)。その部分は省略しておく。 作を読む場合の注意としてあげておきたいのは、作が発表されてからの刑事施設の処遇の変化である。 『刑務所の中』(2000年)が刊行されヒットした。 そして崔洋一監督、山崎努主演で映画化(2002年)もされた。ぼくもファシリテーターをやるに際して、同作を鑑賞した。松重豊なども出てきて楽しく見られた。作に忠実ではあるのだが、どこを取捨選択しているかで崔とぼくの注目ポイントが違うなあと感じた(後述)。 刑務所の中

    花輪和一『刑務所の中』 - 紙屋研究所
    y-mat2006
    y-mat2006 2023/09/28
    ほぼ四半世紀も昔の話だったんだな。幸いにして参考にできるような目には、まだ遭ってないけど、やっぱり微妙に変わってきてるのか。
  • 及川琢英『関東軍——満洲支配への独走と崩壊』 - 紙屋研究所

    そうだなあ、高校の教科書程度しか知識のない人間=ぼくが読んだのだが、読みやすいとはなかなか言えないであった。 関東軍――満洲支配への独走と崩壊 (中公新書 2754) 作者:及川 琢英 中央公論新社 Amazon その原因は、人名や役職名、組織名などが多く、それらが織りなす個別事実がたくさん書かれていて、素人には「で、それは一体どういう意味を持つのですか?」と言いたくなってしまうのである。学者からすれば、それらは軽々に規定できるものではないのかもしれない。だから、個別事実を「豊富に」並べることで読者が感じ取るように作られている気がした。 また、ぼくにとって馴染みのある「軍閥」という言葉(概念)は出てこない。最近の歴史学の動向など全然知らないのであるが、どうして使わないのか、説明はない(他方で「馬賊」「巡防隊」などはごく簡単な説明がある)。 張作霖らをリーダーとする「奉天派」というのは、こ

    及川琢英『関東軍——満洲支配への独走と崩壊』 - 紙屋研究所
    y-mat2006
    y-mat2006 2023/06/15
    関東軍の所有する国家としての満州国も歪だけど、党が軍や国家を所有する中国などの共産圏もまた歪。でも、絵に描いたような「国民国家」ってそんなにないんじゃないかと言う視座もあるかも?
  • オノ・ナツメ『僕らが恋をしたのは』 - 紙屋研究所

    「大将」「キザ」「教授」「ドク」というあだ名の、それぞれに背景のある4人の「じじい」。人里離れた山奥の一角の土地の、独立した家屋とキャンピングカーにポツリポツリと集まってきて暮らしている。4人が顔を全て揃わせるのは週2回程度。それぞれ独立独歩だが緩やかに交流がある。 ここは「じじいの楽園」である。 その「じじいの楽園」に少しだけ年下の「美女」(「お嬢」)が突然やってくる、という物語だ。 僕らが恋をしたのは(1) (Kissコミックス) 作者:オノ・ナツメ 講談社 Amazon この話が読んでいて快楽なのは、まず何より、この集団・この空間が「楽園」のように思われるからである。 前の記事で挙げた定年後の人生。年金というベーシックインカムを充実させ、住居費という経常経費が抜的に軽減され、医療・介護の負担が「ない」と想定されたとすれば、それはすなわち共産主義的楽園をイメージしうる。 kamiya

    オノ・ナツメ『僕らが恋をしたのは』 - 紙屋研究所
    y-mat2006
    y-mat2006 2023/06/08
    自分、良いおっさんだけど、そう言う女性が現れたら生臭くない振る舞いができる自信はない。(中途半端に下心とか嫉妬とかで悶々しそう)
  • 坂本貴志『ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う』 - 紙屋研究所

    貴志『ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日社会を救う』(講談社新書)はなかなか刺激的なである。政治的に見れば日の高齢者政策の根的な問題点を指摘したくなることもあるが、そうした「大きな視点」をひとまず脇において、読んでみる。 ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日社会を救う (講談社現代新書) 作者:坂貴志 講談社 Amazon サブタイトルで大体言いたいことの質を言っているとは思うが、坂によれば、政府統計では、リタイア年齢である65歳から69歳までの世帯(2人以上)定年後の月収は年金を中心に25万円。他方で支出額は32.1万円。7〜8万円の収支差がある。 逆に言えば、月10万円稼げる仕事があれば、貯金の有無にかかわらず、「余裕のある」生活ができるということになる。 十分な年金を保障せず、年老いても働かせる社会が「地獄絵図」という批判は承知しているし、ぼくもそう思うところは

    坂本貴志『ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う』 - 紙屋研究所
    y-mat2006
    y-mat2006 2023/06/02
    全人格を仕事に投入なんて生き方は元々人類には無理なんだと思う。
  • 幹部たちの“知的水準の衰弱” - 紙屋研究所

    休みで、いろんなを読んでいるが、読み返すものもある。 不破哲三『スターリン秘史』もその一つである。 スターリン秘史―巨悪の成立と展開〈5〉大戦下の覇権主義(下) 作者:不破 哲三 新日出版社 Amazon 不破はこの著作の中で、スターリンの問題点の根源を暴いているのだが、同時に、それを描くプロセスで、スターリンという指導者が持っていた「長所」というか、ある種の明晰さにも遠慮なく触れている。 スターリンがトリアッチ〔イタリア共産党指導者〕やトレーズ〔フランス共産党指導者〕にあたえた路線転換は、それぞれ成功をおさめて、イタリアでも、フランスでも、共産党が戦後政治で有力な地位を得ることに貢献しました。スターリンが求めた路線転換に共通しているのは、反ファシズム闘争の成果を強引に社会変革に結びつけることに固執せず、資主義的政治体制のもとで共産党がしかるべき政治的地位を獲得するという限定的な目標

    幹部たちの“知的水準の衰弱” - 紙屋研究所
    y-mat2006
    y-mat2006 2023/06/01
    紙屋さんのことだから、不破さんの言を借りて自党の幹部を暗に批判してるような気がする。
  • 近藤ようこ『高丘親王航海記』 - 紙屋研究所

    「今こういうものが読みたい」と体が欲していたのだろう。染み透るように読めた。もちろん、発売当初に買って読み、楽しんで読んだのだが、この時期に再読して面白さが格別だった。 近藤ようこ『高丘親王航海記』は、澁澤龍彦の同名小説を原作にしたマンガである。「薬子の乱」で有名な藤原薬子に、幼い頃に出会った経験が忘れられない高丘親王は、長じて唐に渡り、薬子から教えられた天竺を目指して船の旅を続ける。物語はその途上、主に東南アジア各国で出会う不思議な体験を綴ったものだ。 高丘親王航海記 I (ビームコミックス) 作者:近藤 ようこ KADOKAWA Amazon 親王は67歳であるが、「どう踏んでも五十代の半ば以上には見えない」という風貌である。それはすなわち50代の物語であろうと親王に勝手な親近感を抱く。 そして、恐ろしく沈着で思慮深い物腰。かといって迷いがないわけではなく、むしろ幼い頃に薬子にそそのか

    近藤ようこ『高丘親王航海記』 - 紙屋研究所
    y-mat2006
    y-mat2006 2023/04/11
    山上たつひこの喜劇新思想大系に電気的に刺激して射精させるって言うネタがあったような>「「射精中枢」を物理的に刺激させられてそれを繰り返させられる、おぞましさと快楽」
  • ぽんとごたんだ『桐谷さん ちょっそれ食うんすか!? 』3巻 - 紙屋研究所

    まだ年賀状をやめていないのだが、おそらく受け取る方はすでに「年賀状仕舞い」をしているだろう人が多く、こちらが出した後に、ポツンと返ってくることがある。そういう場合、今年出した年賀状への“反応”などが書いてあって、それはそれで楽しみではある(そうでない人は1年越しにやり取りすることがある)。 今年の年賀状で「コオロギをべてみたい」という趣旨のことを書いたら、ヘタな近況報告よりもそれに反応する人が結構いて、興味深かった。 昆虫は話題になっているからぼくもべてみたいと思いつつ、なかなかべられない日々が続いていた。 先日、無印良品で「コオロギせんべい」と「コオロギチョコ」をようやく手に入れてべた。 うんまあ、せんべいの方は完全に「エビせんべい」だよね。 実際コオロギパウダーだけじゃなくて海老粉も入っているようだし。 チョコの方はもうチョコの味しかしない。 「これなら全然いけるじゃん」とは

    ぽんとごたんだ『桐谷さん ちょっそれ食うんすか!? 』3巻 - 紙屋研究所
    y-mat2006
    y-mat2006 2023/03/03
    ちょうど時節柄タイムリー。/生存のための雑食と趣味嗜好のための雑食は違うとは思うけど、生存するための食であってもどうせなら美味しく召し上がりたいのが人情じゃないだろうか?
  • 唐鎌直義「高齢者の貧困と社会保障緊縮政策」 - 紙屋研究所

    「前衛」2022年7月号の唐鎌直義「高齢者の貧困と社会保障緊縮政策」を読む。 前衛 2022年 07 月号 [雑誌] 日共産党中央委員会 Amazon 何と言ってもこの表である。 「前衛」2022.7より 高齢者の全体の貧困率が26%で、日全体では15%くらいだから、トンデモなく高いことがわかる。 しかし「高齢者」といってもいろいろだ。 そこで世帯状況で分けると、さらに解像度が上がる。 女性の単独世帯の貧困率は53.5%と群を抜いている。世帯の絶対数も256万人いて、世帯数としては高齢世帯の中では最も多いグループである(人口では「高齢夫婦のみ世帯」よりもわずかに少ない)。 男性の単独世帯の貧困率も37.1%と高い。 唐鎌はこう述べる。 公的年金制度等の社会保障制度が存在する先進工業国で、これほどまでに高齢者の貧困が放置されている国は日だけであろう。(同誌p.176) 生活保護を受給し

    唐鎌直義「高齢者の貧困と社会保障緊縮政策」 - 紙屋研究所
    y-mat2006
    y-mat2006 2022/06/24
    シルバー民主主義がー!論者の皆様が目を背けてるゲンジツ。
  • 川崎昌平『売れないマンガ家の貧しくない生活』、木村イマ『シュガーレス・シュガー』1 - 紙屋研究所

    ネットで川崎昌平『売れないマンガ家の貧しくない生活』を読んでいるつれあいは、マンガ家のの視点でマンガ家自身がマンガ家のことを描くというこの作品の奇妙さを口にしていた。 売れないマンガ家の貧しくない生活 (コミックエッセイ) 作者:川崎 昌平 KADOKAWA Amazon 作品の中の話題が、マンガ家の業労働(編集者)、副業としてのマンガだけでなく、家庭生活や家事とのバランス、最終的には出産・育児という大仕事にまで及ぶために、その広いフィールドを客観的に見て語る視点がほしかったのだろうと思うが、確かに奇妙ではあり、可笑しみがある。客観視するとはそういうことなのだろうけど。 川崎はマンガ家としては売れていないが、「貧しくない生活」をしている。マンガ家を副業*1にしている、つまり兼業マンガ家だからである。業の収入があるために、マンガ家としての生活に精神的な余裕があり、それがマンガ家の創作に

    川崎昌平『売れないマンガ家の貧しくない生活』、木村イマ『シュガーレス・シュガー』1 - 紙屋研究所
    y-mat2006
    y-mat2006 2022/06/23
    「共産主義の目的は多くの自由時間をつくりだし、人間の全面発達を勝ち取ることで人間を解放することである」
  • 山口つばさ『ブルーピリオド』12 - 紙屋研究所

    左翼運動、というか理想を掲げる社会運動にハマる理由の一つは、「たまり場」じゃないか、と1980年代に青春を過ごしたオールド左翼のぼくとしては力説したいところである(以下、年寄りの昔話っぽくなるのだが、そこはご勘弁願いたい)。 大学のサークルボックス(サークル部室・サークル部屋)や自治寮の部屋はその典型だ。高校までは見たことがないようなユニークな面々がいつ行ってもくだを巻いている。そういう中で尊敬すべき先輩とか同級生を見出して、こんながあるんだぜとか教えられてうかうかと読んでしまうのである。 カリスマっぽい先輩でもいようものなら、その空間の虜だ。 何気にしゃべること、語ることがいちいち眩しい。 すげえ。面白え。こんな人がいるんだ。 美大生の物語『ブルーピリオド』は12巻で主人公・矢口八虎(やぐちやとら)が反権威主義芸術集団「ノーマークス」のたまり場に行くことになり、その魅力にハマってしまう

    山口つばさ『ブルーピリオド』12 - 紙屋研究所
    y-mat2006
    y-mat2006 2022/06/13
    20世紀の連合赤軍やオウム真理教とか経験しちゃって来てる目から見たら、八虎!逃げてー!って言いたくなるんだよなあ。そこが如何に居心地が良いように感じたとしても。
  • 「暴力革命」宣伝のスジの悪さ - 紙屋研究所

    “日共産党は現在も暴力革命を方針とする政党である”という宣伝は、現代では珍しいほどかけらも真実がない純然たるデマである。なんの根も葉もない。大昔は共産党はどうだったとか、何があったとか、そういうことを百歩譲って認めるとしても、今現在共産党がそんななんのメリットもない意味不明の方針を1グラムもとっていないことはあまりにも明瞭だからである。 もし当に暴力革命をやるつもりでいるなら「最近どこかで武装訓練をしているのをみた」とか「あそこに大量の武器が隠してある」とか、そんな情報が、全国で100や200あっても良さそうなものだが、まるで聞こえてこない。当たり前である。そんな方針も活動も何もないからである。 だから公安調査庁が60年もかかって日共産党を「調べて」いるのに、いまだに破防法を適用できない。何も出てこないからである。3年成果が出なければ情け容赦なく事業が終了する世知辛いこの公務渡世で、

    「暴力革命」宣伝のスジの悪さ - 紙屋研究所
    y-mat2006
    y-mat2006 2021/09/17
    仮に共産党が政権入りしたとして、クーデター起こすような頭のおかしい自衛官はさすがにおらんよね?/サリン事件を見逃してしまってるので、日本の公安がとてつもなく無能(個人も組織も)な可能性はある。
  • 大きな枠組みに目を向けさせないようにする - 紙屋研究所

    なぜ「自分のできること」の範囲に限定するのか 娘(中1)が「環境新聞」というのを学校の宿題で作っていて、横から眺めていた。 温暖化について書いている。 「結論は自分ができることを書かないといけないんだ」と言って、ムダな電気を消すとかそういうことを書いていた。 その後授業参観で、クラスの壁に貼られた、クラスの生徒たちがそれぞれつくった「新聞」を見る機会があったが、温暖化だけでなく、ごみの減量とか、プラスチックごみの縮減とか、さまざまな環境問題についてまさに「自分ができること」で締めくくられていた。例外なく全て。徹底した指示・指導なのであろう。 なぜ「自分のできること」の範囲に限定するのだろうか。どうして「2030年に8%という低すぎる福岡市の再生可能エネルギー普及率の戦略を引き上げる」とか「プラスチック全般に拡大生産者責任を徹底する」とか、そういう「大きな話」を書いてはいけないのだろうか。*

    大きな枠組みに目を向けさせないようにする - 紙屋研究所
    y-mat2006
    y-mat2006 2020/11/13
    「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」から少しも変わってない。
  • 「安倍政治」は終わったのか・続くのか - 紙屋研究所

    安倍首相が病気を理由に辞意を表明して、安倍政権は退陣することになった。 いくつかの安倍政権論、安倍首相論が出ているけども、肝心なことは、安倍政権がやっていた政治、すなわち「安倍政治」は終わったのか・続くのか、まだ全然判断できないということだ。何か安倍首相の辞任とともにそれらの政治が自動的に終了し、区切られてしまうわけではない。 自民党内での後継選びが盛んだけど、ぼくが知りたいことは、名前が挙がっている各候補が「安倍政治」の何を受け継いで、何をどう変えるのか、っていうこと。それは、野党に政権が代わるとしても同じである。 ぼくはサヨクであるから、サヨクとしてこういう政策をやってほしいというテーマ(例えば消費税の減税とか、PCR検査の拡大とか)はいくつかある。それは右派や保守派からすれば認められないものも多かろう。 しかし、個々の政策のことを、ここで言いたいわけではない。 サヨであろうがリベラル

    「安倍政治」は終わったのか・続くのか - 紙屋研究所
    y-mat2006
    y-mat2006 2020/08/31
    「つまり、新政権は第三者機関を設置できるのかどうか、それが基準となる。」
  • 上西充子『呪いの言葉の解きかた』 - 紙屋研究所

    昨年ぼくは「ご飯論法」の命名者の一人として流行語大賞をいただいた。「朝ごはんをべましたか?」という問いに、米飯はべていないがパンはべたという事実を隠して「ご飯はべておりません」と答弁する……このタイプのごまかしを安倍政権がやっているのではないか、という欺瞞の告発が形になったものが「ご飯論法」というネーミングであった。 kamiyakenkyujo.hatenablog.com だがぼくの方の受賞はおまけみたいなもので、実際には、共同受賞した上西充子・法政大教授がこの手法を見抜き、暴いたことがまさに受賞の中心である。 受賞の時に会場の近くのスタバで初めてお会いしたが、その時も、上西はこの論法が従来の霞ヶ関文学による単なる「ごまかし答弁」「あいまい答弁」とはどう違うかを厳密にぼくに語っていた。ぼくのツイッターのタイムラインに上西のツイートが流れてくるが、“リベラルっぽいツイート”に雰囲

    上西充子『呪いの言葉の解きかた』 - 紙屋研究所
    y-mat2006
    y-mat2006 2019/08/25
    平気でデマやごまかしで人を貶めようとする与党政治家がいる国に住んでいるのは、空恐ろしいことだ。
  • 小学校の運動会は要らないなと思った理由 - 紙屋研究所

    この記事を読んで思ったこと。 news.yahoo.co.jp 特にこの点。 ●運動会の目的と目標がきちんと明確になっていない。 関係者のあいだで(保護者だけでなく、おそらく教職員の間ですら)腹落ちしていない。 ●その目的、目標に照らして適切な手段となっているかが十分に検討されていない。 ところが、なんと、指導要領には一言も「運動会」という言葉は出てこない。この事実を教職員は知っているだろうか? 正確に言うと、特別活動の学校行事のひとつとして、「健康安全・体育的行事」という記述はある。この体育的行事のひとつの例として、運動会はある。(指導要領の体ではなく、解説には運動会との文言は出てくる。) 極端な話をすると、「うちは運動会はしません」という学校があってもよいわけである。 運動会が目的に合ったものなのか、そもそもマストではないはずだ、という指摘は大事だ。 なぜなら、ぼくはつい先日小学6年

    小学校の運動会は要らないなと思った理由 - 紙屋研究所
    y-mat2006
    y-mat2006 2019/06/03
    モチベーションの維持ってむつかしい
  • 前田正子『無子高齢化 出生数ゼロの恐怖』 - 紙屋研究所

    少子化は社会を維持できなくなる大変な問題だ、という前提さえ共有するなら、あとはどう対策(解決策)を考えるか、という話になる。 書・前田正子『無子高齢化 出生数ゼロの恐怖』(岩波書店)にはタイトルの通り現状を告発する部分がかなりあるが、では解決策をどうするかという問題にしぼって評してみる。 無子高齢化 出生数ゼロの恐怖 作者: 前田正子 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2018/11/28 メディア: 単行(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 「少子化対策」と聞いてまず「保育所整備」が頭に浮かぶ人も多かろう。 そうした政策認識について著者(前田正子)は次のように批判する。 〔2000年前後の政策は――引用者注〕どれも保育整備に重点が置かれ、そのほかは各省の既存政策を並べたもので、包括的な子育て支援策が整合的・戦略的に講じられることはなかった。(書p.73) もちろん、保

    前田正子『無子高齢化 出生数ゼロの恐怖』 - 紙屋研究所
    y-mat2006
    y-mat2006 2019/03/11
    確かに当たり前だ>「外国人労働者を単なる「労働力」ではなく「人間」として扱えば相応のコストがかかるということだ。当たり前であるが。」
  • 山口つばさ『ブルーピリオド』 - 紙屋研究所

    『このマンガがすごい!2019』で2018年(2017年9月〜2018年9月)のマンガのベスト5を回答した(オンナ編)。 「オンナ編」しか選んでいないので、では「オトコ編」でトップを選ぶとしたらどうなるか。(実は1つだけアンケート回答しているのだが、それは除外して考える。) このマンガがすごい! 2019 作者: 『このマンガがすごい!』編集部 出版社/メーカー: 宝島社 発売日: 2018/12/11 メディア: 単行 この商品を含むブログ (3件) を見る それは山口つばさ『ブルーピリオド』(講談社)だろう。 勉強もそこそこできるし、私生活もリア充っぽい男子高校生・矢口八虎が「絵を描く」ということに突如取り憑かれ、美大を目指し始める物語である。 ブルーピリオド(1) (アフタヌーンコミックス) 作者: 山口つばさ 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/12/22 メディア:

    山口つばさ『ブルーピリオド』 - 紙屋研究所
    y-mat2006
    y-mat2006 2019/01/29
    芸術を言語化してどうやって表現するかと言うところは、はしっこアンサンブルにも共通するような。
  • 新語・流行語大賞トップテン「ご飯論法」受賞でのスピーチ - 紙屋研究所

    『現代用語の基礎知識』選、ユーキャン 新語・流行語大賞トップテンに「ご飯論法」が選ばれ、ぼくは、上西充子教授と共同受賞させていただきました。 その時のぼくのスピーチを下記の記事から転載しています。書き起こしありがとうございました。 note.mu ぼくは、今年の重大なニュースの一つが、森友問題に関わる公文書改ざんの発覚だったと思っています。民主政治の危機です。そのことに関わる言葉としてスピーチできたのは意義のあったことだったなと思っています。 なんども言ってますけど、この論法についての発見は上西さんによるものでした。論法として問題を提起することで、相手がすり替えようとしているものが見えてきました。 紙屋高雪のスピーチ(書き起こし) ブロガーの紙屋と申します。今日、選んでいただきまして、どうもありがとうございます。 今日、話を聞くと、他の国語辞典(大辞泉)でも(「新語大賞」の「次点」として)

    新語・流行語大賞トップテン「ご飯論法」受賞でのスピーチ - 紙屋研究所
    y-mat2006
    y-mat2006 2018/12/06
    紙屋さんだったのか。一気に好感度上がったぞい。
  • ビルトインされたポリコレ棒 『ゴールデンカムイ』をめぐって - 紙屋研究所

    これなんだけどね。 「ゴールデンカムイは少女が性的搾取されないから良い!」という持ち上げ方に疑問を感じる人たち - Togetter 明治時代に北海道で隠されたとされる金塊を争奪する物語、野田サトルのマンガ『ゴールデンカムイ』について。ヒロインのアシㇼパの「サービスシーン」「エッチ展開」がない=少女が性的搾取されないからよい、いやそんな理由で勧めるのはおかしい、的な論争。 ある倫理基準がその人の中にしっかりとビルトインされている場合、ごくごく自然にその倫理基準に沿うかどうかで好悪を分けてしまうということは実によくあることである。そして、それは決して不自然な行為ではない。 女性の人権をめぐって日々の生活の中でせめぎ合い・葛藤・闘争をしているようなセンシティブな毎日であれば、そのこと一つで作品に引っ掛かりを感じてしまう、あるいは作品全体がダメなふうに感じてしまう、というのはきわめて自然なことだ

    ビルトインされたポリコレ棒 『ゴールデンカムイ』をめぐって - 紙屋研究所
    y-mat2006
    y-mat2006 2018/04/14
    その昔、「踊る大捜査線」で、いざと言う時の恋愛要素の伏線だけ張って置いたけど、結局あの路線でヒットしたから使わずに済んだと言う話もあって。性的だとか恋愛要素とか、ある意味創作者としては敗北宣言?