資生堂パーラーが銀座にレストランを開業して今年で86年。銀座のシンボルとして洋食を提供し続けてきた同店は、伝統を守りながらも、いつまでもモダンな雰囲気を失わない。今回は、そんな老舗洋食店で現在、総調理長を務める座間勝さんに“原点となるモノ”を伺った。料理の道に入って30年以上となる座間さんにとって、それは、コックの命とも言える“包丁”。修業時代から研ぎ続けて、30年来の付き合いとなる包丁を3本、ご紹介します。 奥から、洋出刃包丁、筋引きナイフ、肉をさばく用の短刀 「研いで使い続けているので、当時よりかなり短くなってしまいました」 —何故“原点となるモノ”に包丁を選ばれたんですか? 「資生堂パーラーでコックを始めて数年経った頃、“包丁は自分で買え”と、先輩に言われたんです。当時は20歳そこそこでお金も無かったし、人から借りた包丁を使っていたんですね。でも、“コックは自分で買った包丁を自分で研