空港に着いたらそこは中国だった。中国人がベンチに座ってスマホをいじりながら国民的ソフトドリンク「王老吉」を飲んでいる。ここはカンボジアの地方都市なのに。 私が訪ねたカンボジアの海沿いの街「シアヌークビル」は、昔は西洋人バックパッカー(ヒッピー)にひそかに人気のビーチリゾートだったが、今はすっかり中国化したと報じられている。空港では、早速中国人の男性による会話や痰吐きの音が左右から聞こえる。日本円が両替しづらい代わりに従来から米ドルが普通に使えて、加えて人民元も流通している。
これまでのあらすじある日突然Twitterで知らない人から誘われて、なぜかウイグル旅行に行くことになった限界社畜OL・砂漠。しかし、空港に現れたのは、社会主義旅行を通じて人を社会生活からドロップアウトさせる謎の秘密結社「うどん部」だった。空中浮遊が特技の中国オタク・尊師、小柄でツインテール姿のちょっぴりエッチな美少女・レーニン。そんな怪しすぎる仲間たちとの珍道中に、中国公安の魔の手が迫っていて……!? (これまでの詳しい話を知りたいかたは前回のnoteへ) 公安から謎の「重点旅客」認定を受ける 寝台列車を待つ人々でにぎわう駅のかたすみで、私は虚空を見つめていた。ここは「重点旅客」待合室。突然、公安に声をかけられ、ここに連行されたのだ。出入り口では、警備員がにらみを効かせている。 「どうしてこんなことになってしまったのだろう……」 私は、ネットに出回るウイグルに関する噂話の数々を思い出し、自
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く