アメリカ人がアメリカについて書いた本。 200人の普通のアメリカ人にインタビュー、そうして掴みだした「個人主義」という心の習慣を起点に、アメリカの社会や制度をぐるりと見回す。 丁寧なインタビューを積み重ね、ハデな思想ぶったところのない分析、古き良き社会学者の仕事といった感じ。 さて「個人主義」から何が見えるか。 ベラーらは、この「個人主義」が、功利主義的な個人主義と、表現主義的な個人主義の2つ(の相互作用)からなるという。 功利主義的個人主義とは、この世はゲーム、勝てばいいんだ、という外向きの個人主義。 その「ゲーム」がどうやって成り立ってるか、どんな巡り合わせで生まれたかは、気にしない気にならない。 この発想にどっぷりつかると、「ゲームの敗者」が道徳的にも欠陥してるように見えてくる。 表現主義的個人主義とは、要は「自分さがし」、内向きの個人主義。 アメリカではセラピストのサポートがあって